庭に残った切り株を抜くために、道具をどうそろえるか迷っていませんか。

抜根(ばっこん)に使う道具には、1回きりの作業のために買うには大きすぎるものがあります。

そこで候補に挙がるのがレンタルです。

この記事では、抜根の道具をどこで借りられるかと、借りる先で何を確認すればよいかを整理します。

この記事が対象とするのは、すでに伐採されて残っている切り株です。

立ち木を自分で切り倒す方法は扱いません。

また、切り株を引き上げる機材は、抜根に使えるとは限りません。

理由は「借りる前に確認する6つのこと」で扱います。

抜根がどのような作業で、どんな場面で必要になるかは、抜根とは?伐採との違いと必要になる場面で扱っています。

抜根の道具はレンタルできるのか

抜根に使う道具は、借りる対象になりやすいものと、手元にそろえたほうが早いものに分かれます。

分かれ目は、その道具を今後も使う機会があるかどうかです。

借りる対象になりやすいのは引き上げる道具

切り株を引き上げる道具は、抜根が終わると使う場面が限られます。

置き場所を取り、重量もあります。

そのため、借りる対象になりやすい道具です。

ただし、貸し出している先は多くありません。

どこを当たればよいかは、次の章で扱います。

手元にそろえたほうが早い道具

掘る道具と切る道具は、庭の手入れで繰り返し使えます。

借りる手続きと往復の手間を考えると、買ったほうが早い場合もあります。

道具それぞれの役割と、買うか借りるかの考え方は、抜根を自分でやる方法|道具の選び方と作業手順で扱っています。

借りる期間は長めに見込む

抜根は、掘る作業から埋め戻しまでを1日で終えられるとは限りません。

根の張り方や土の状態によって、必要な時間は変わります。

天候で作業を中断することもあります。

借りる期間を決めるときは、この幅を織り込んでおいてください。

延長の可否と条件は、借りる先によって異なります。


抜根の道具はどこで借りられるか

借りられる先は、大きく3つの類型に分かれます。

扱っている道具も、手続きも、類型ごとに違います。

ホームセンターの工具貸出

店舗によっては、工具の貸出を行っています。

手続きが簡単で、店舗まで自分で取りに行ける点が利点です。

ただし、貸出の品目は店舗ごとに異なります。

引き上げる道具まで扱っているとは限りません。

出向く前に、置いている品目を電話で確認してください。

そのとき、引き上げる道具の取り扱いがあるか、予約が必要かをあわせて聞いておきます。

建設機械・産業機械のレンタル会社

工事現場向けに機械を貸し出している会社があります。

引き上げる道具は、こちらのほうが見つかりやすくなります。

一方で、個人への貸出を行っているかは会社ごとに異なります。

法人だけを対象としている場合もあります。

問い合わせの最初に、個人でも借りられるかを確認してください。

そのうえで、店頭で受け取れるか、配送になるかを聞いておきます。

現場の状況を伝えると、必要な機材の見当を一緒に確かめられる場合もあります。

個人どうしの貸し借り

個人どうしで道具を貸し借りする方法もあります。

近くに貸し手がいれば、選択肢のひとつになります。

ただし、事業者の貸出とは条件の決まり方が違います。

点検の有無、破損したときの負担、預り金の扱いを、借りる前に書面で確認してください。

説明を受けても不明な点が残る場合は、無理に借りないでください。

貸し手が個人であっても、確認すべき項目は事業者から借りる場合と変わりません。

借りられる先が見つからないとき

近くに貸し手がなければ、道具の入手そのものが難しくなります。

その場合は、抜根を請け負う事業者に相談する方法もあります。

道具をそろえること自体が目的ではありません。

なお、借りる先を探す前に、切り株の太さと周囲の広さを測っておいてください。

必要な機材の見当がつき、問い合わせのやり取りが短くなります。

借りる前に確認する6つのこと

借りられる先が見つかったら、次は中身の確認です。

ここを飛ばすと、受け取ってから使えないことが分かります。

借りる先が変わっても、確認する項目は同じです。

【確認1】定格荷重の表示があるか

定格荷重の表示と取扱説明書があるものを借りてください。

表示が確認できないものは借りないでください。

手動チェーンブロックの取扱説明書には、定格荷重を超える荷を絶対につらないよう記載があります。

(参考:象印チェンブロック株式会社『手動チェーンブロック C21型 取扱説明書』・2026年8月時点)

ただし、表示された定格荷重と切り株の重さを見比べても、判断はできません。

抜根の作業中に機材へかかるのは、切り株の重さではないからです。

根が地中に残っている間は、根と土の抵抗が加わります。

この抵抗は外から見て分からず、掘り出した後の重さからも計算できません。

定格荷重の範囲に収まるかどうかを、自分で見積もらないでください。

【確認2】必要なものが一式でそろうか

引き上げる道具は、本体だけでは作業できません。

何が必要になるかは、機材の種類と取扱説明書によって変わります。

掛ける先になる架台、荷を掛ける具、脚を据える受け具などが該当します。

借りる機材について必要なものを貸し出す先に確認し、一式で借りられるのか、別料金なのかを聞いてください。

受け取ってから足りないものに気づくと、作業日を組み直すことになります。

【確認3】その機材が抜根に使えるか

吊り上げ用という表示だけでは、抜根に使えるとは限りません。

手動チェーンブロックの取扱説明書には、使用制限として次の記載があります。

チェーンブロックは、人間の手動力で荷を垂直に上下させる用途にご使用ください。

象印チェンブロック株式会社「手動チェーンブロック C21型 取扱説明書」

同じ取扱説明書は、作業中の注意事項として次を挙げています。

  • 地球づりをしないこと
  • 斜め引きをしないこと
  • フックや本体を支点にして使用しないこと
  • 荷が落下するような衝撃荷重の操作をしないこと

(参考:象印チェンブロック株式会社『手動チェーンブロック C21型 取扱説明書』・2026年8月時点)

根が地中に残った切り株は、地面から動かない物に近い状態です。

そのため、借りる型式で抜根に使ってよいかを、貸し出す先またはメーカーに確認してください。

確認できない場合は使わないでください。

手元の材料を組み合わせて、自分で支点を作らないでください。

脚の部材が本体と別に用意される形の製品もあります。

その場合も、指定された部材と組み方から外れないようにしてください。

【確認4】運べるか、置けるか

引き上げる道具は、一式になると相応の重量になります。

自分の車に積めるか、受け取りと返却をどう行うかを先に決めてください。

配送と引き取りに対応している先もあります。

借りている間の保管場所も、あわせて考えておきます。

返却時の状態について条件がある場合は、その内容も確認してください。

【確認5】料金の内訳と、壊したときの扱い

料金は、金額そのものより内訳を確認してください。

確認しておきたい項目は次のとおりです。

  • 基本料金と、期間の数え方(貸出日と返却日を含むか)
  • 付属品が料金に含まれるか、別に加算されるか
  • 配送と引き取りの料金
  • 延長したときの扱い
  • 預り金の有無と、返金の条件
  • 破損・紛失したときの負担

【確認6】使用前の点検ができるか

貸出前の点検が行われているかを確認してください。

あわせて、使用前の点検の方法が取扱説明書に示されているかを見てください。

手動チェーンブロックの取扱説明書は、作業開始前の点検を必ず実施するよう求めています。

点検の対象には、フックの変形と外れ止め、ロードチェーンのねじれ・伸び・摩耗、ブレーキの作動が含まれます。

いずれかに異常がある機材は使わないでください。

なお同じ取扱説明書は、使用に際して法規上の特段の規制はないとしています。

そのうえで、玉掛け技能講習やクレーンの運転教育を受けることをすすめています。

(参考:象印チェンブロック株式会社『手動チェーンブロック C21型 取扱説明書』・2026年8月時点)

確認のお願い

レンタルの料金と在庫は、借りる先や時期によって変わります。
この記事では具体的な金額を示していません。
申し込む前に、借りる先で条件をご確認ください。

ここまでの6項目を、申し込みの前に確認できる形にまとめます。

表1: 借りる前の確認項目

#確認すること確認できない場合
1定格荷重の表示と取扱説明書があるか借りない
2その機材に必要なものが一式でそろうか不足分の入手先を先に決める
3その型式を抜根に使ってよいか使わない
4運搬・受け取り・返却・保管ができるか配送と引き取りの可否を確認する
5料金の内訳と破損時の負担が示されるか書面で示してもらう
6貸出前の点検と使用前点検の方法借りない

チェーンソーを借りる場合は防護具を別に用意する

太い根を切るために、チェーンソーを借りることがあります。

このとき、本体を借りられても防護具まで一式で借りられるとは限りません。

厚生労働省は、チェーンソーを用いた伐木等作業の保護具等を示しています。

挙げられているのは、下肢の切創防止用保護衣、衣服、手袋、安全靴等の履物、保護帽、保護網・保護眼鏡及び防音保護具です。

ここでいう伐木等作業とは、チェーンソーを用いて行う伐木又は造材の作業を指します。

この記述は伐木等作業についてのものであり、切り株の掘り起こしをそのまま対象とする決まりではありません。

(参考:厚生労働省『「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」の概要』・2026年8月時点)

ただし、刃が脚に当たったときに起きることは、作業の呼び名では変わりません。

通常の長ズボンや帽子は、チェーンソー用の装備の代わりになりません。

防護具を一式そろえられない場合は、チェーンソーを使わない方法を選んでください。

防護具をそろえれば安全になるわけではありません

根を切る作業には、根を切る作業なりの注意があります。

根が土に埋まったままの状態では切らないでください。

先に根を十分に露出させ、地面との間隔をあけてから切ります。

刃やガイドバーが土や地面に当たらない状態を保ってください。

安定した足場で、両手で保持できない姿勢では使わないでください。

借りるときは取扱説明書を受け取り、使ってよい姿勢と禁止されている動作を確認してください。


借りても自分では進めないほうがよい場合

道具がそろっても、着手しないほうがよい現場があります。

以下に当てはまる場合は、抜根を請け負う事業者にご相談ください。

  • 水道管・ガス管・排水管・電線の位置を特定できない
  • 切り株が塀や建物の基礎、擁壁の近くにある
  • 作業する場所が傾斜している
  • 防護具をそろえられない
  • 作業を1人で行うことになる
  • 借りる機材を抜根に使ってよいかを確認できない

引き上げる作業では、力をかけたまま切り株に近づかないでください。

根の状態を確かめるときは、いったん力を完全に抜きます。

この点を含む作業中の注意は、抜根を自分でやる方法|道具の選び方と作業手順で扱っています。

なお、重機を使う方法は本記事では扱いません。

切り株が大きく、人の力では動かせない場合は、作業を請け負う事業者にご相談ください。

まとめ

抜根の道具のレンタルについて、要点を3つに整理します。

1つめは、借りる対象になりやすいのは引き上げる道具だという点です。

掘る道具と切る道具は、手元にそろえたほうが早い場合もあります。

2つめは、借りられる先が3つの類型に分かれるという点です。

ホームセンターの工具貸出、建設機械のレンタル会社、個人どうしの貸し借りで、扱う道具も条件も異なります。

3つめは、借りられることと使えることは別だという点です。

定格荷重の表示があっても、その型式を抜根に使ってよいとは限りません。

作業中にかかる荷重も、切り株の重さからは見積もれません。

確認できないまま引き上げず、抜根を請け負う事業者にご相談ください。

道具は、借りられたから作業できるというものではありません。

現場の条件と、そろえられる装備を先に確かめてから判断してください。

参考文献