遺品整理は故人を偲び、思い出を振り返りながら進める大切な作業ですが、同時に貴重品の発見や保存も重要な役割を担っています。
遺品整理をする際に、故人がどこに何を保管していたかを全て知っているという人は少ないと思います。
「遺産分割協議前の遺品整理の注意点」で遺言書が保管されいる可能性がある場所をご説明しましたように、重要書類や現金、貴金属なども知らないところに保管されている可能性があります。
金庫のように明らかに現金が保管されていると分かる場所もありますが、意外な場所に保管されている場合もありますので注意が必要です。
この記事では、遺品整理を効果的かつ効率的に進めるために、貴重品を探す際に焦点を当てるべき具体的な場所について詳しく解説します。
目次
遺品整理で重点的に探すべき場所
故人が日常的に使用していた場所には、意外な貴重品が含まれていることが多いです。
たとえば、書斎やベッドルームは、日々の暮らしの中で最も使う時間が長く、秘密の場所であることが多いため、特に注意深く探すべきです。
【書斎】本棚や引き出し
書斎は、故人が個人的な時間を過ごす場所であり、多くの場合、書籍や日記、手紙、重要な書類が保管されています。
この場所は特に貴重品が見つかりやすいことから、詳細に調査するべきです。
まず、本棚や書類の整理整頓がなされているかを確認し、意外な物が挟まれていないかを確認します。
次に、引き出しを全て開け、奥に何があるかをしっかりと確認してください。
また、鍵付きのキャビネットの中にも特別な貴重品や機密書類が保管されていることが多いです。
キャビネット内にさらに細かい保管場所がないか確認し、重要書類や現金、貴金属の存在を確認します。
同じように使われていた道具や紙類が積み重なっている場合、その下に埋もれているものにも気を配る必要があります。
【居住空間】居住空間の中にあるもの
居住空間の中あるもので最も優先して探すのは「金庫」です。
事前に金庫の鍵や暗証番号を確認できればベストですが、無い場合は専門家に開錠を依頼することを検討します。
家族に聞けば、鍵や番号を知っている場合もありますので、情報共有も重要です。
金庫のように明らかに貴重品を保管していると分かる場所以外に、以下のように意外な場所にも貴重品が保管されているケースもあります。
- 仏壇: 引き出しの中、仏具の間、お供え物の下など
- 洗面所: 鏡の裏、収納棚の中、洗濯機の中、洗濯カゴの中
- トイレ: タンクの上、収納棚の中、トイレットペーパーの芯の中など
- 玄関: 靴箱の中、傘立ての中、コートのポケットなど
【居住空間】クローゼットや衣類のポケット
当社で遺品整理の作業をしていて、タンスの引き出しの底上げから現金が見つかるケースは少なくありません。
クローゼット内や、特に普段着用されていた衣類のポケットやカバンの中には、忘れられた貴重品が保管されていることがあります。
ゆったりとしたポケットや老いだ収納袋の中には、通帳や鍵、その他の重要な書類、時にはお金が見つかることもあるので、すべてのポケットや袋を丁寧に確認しましょう。
また、お気に入りの服やアクセサリーが入ったボックスがクローゼットの奥に押し込まれていることもあります。
これらも徹底してチェックすることが重要です。
リビングでは以下の様な場所を確認しましょう。
- クローゼット: 洋服のポケット、バッグの中、箱の中、引き出しの中、奥の方、上の方
- タンス: 衣類の間、引き出しの奥、裏側、底板の裏など
- 本棚: 本の間、辞書の中、アルバムの中、引き出しの中
【寝室】布団の間やベッドの下
当社で遺品整理の作業をしていて、布団の間から現金が見つかるケースは少なくありません。
寝室は故人が最もリラックスする場所であり、個人的な貴重品を保管していることが多々あります。
特にベッドやマットレスの下、枕元の引き出し、さらには隠しスペースに注目します。
旅行先でもらったお金や宝飾品、小さな箱に秘められた思い出の品など、寝室には思わぬ貴重品が隠れていることが多いです。
ベッドの下や棚など、通常の視線では見えにくい場所もしっかりと確認することが大切です。
銀行口座や投資信託などの情報が少なかった時代には、現金を自宅で保管することが一般的だったため、昔からの習慣で、現金や貴金属などの貴重品を衣類や布団の間に挟んで保管する人がいます。
認知症の高齢者などは、貴重品をどこにしまったか忘れてしまい、結果的に衣類や布団の間に紛れ込んでしまうことがあります。
寝室では以下の様な場所を確認しましょう。
- ベッドサイドテーブルの引き出し
- 枕元: 普段から使用していた枕の周辺
- 布団の下、ベッドの下
- 押し入れの奥の方、箱の中、布団の間、衣装ケースの中
【台所】キッチンや食器棚の予期せぬ隠し場所
キッチンは意外にも貴重品が発見される場所の一つです。
食器棚や引き出しの奥深く、あるいは調味料の瓶やティン缶など、普段利用しない場所に隠されていることがあります。
時には、調理用具の中にお金が紙に包まれて入っていることもあります。
特に、大量の食器を持つ家庭では、その中に価値のある古い磁器や家族にとって大切な思い出の品が閉じ込められていることもあります。
棚の裏や、奥のスペースまで見逃さず、すべてを確認することが肝要です。
- 食器棚: 食器の間、引き出しの奥、裏側、底板の裏
- 冷蔵庫: ドアポケット、野菜室、冷凍庫の中、製氷皿の裏など
- 食品庫: 食品の缶や箱の中、調味料の瓶の中など
家の中の思わぬ貴重品隠し場所
家の中全体を見渡した際に、不意に貴重品が隠されている可能性のある場所は多岐にわたります。
居住空間の中での目立たない場所も確認することが大切です。
【意外な場所1】屋根裏部屋や地下室
屋根裏部屋や地下室は、日常的に使用しないため、貴重品が長期間隠されていたり、忘れられていることがよくあります。
階段やハシゴは安全に利用する際には注意しましょう。
古いトランクや段ボール箱の中には、家宝や重要な記録が保管されている可能性があります。
また、古い家具の引き出しの中を確認することも欠かせません。
これらの場所は定期的に探索されないため、徹底した見直しが必要です。
【意外な場所2】倉庫や物置に保管された箱
倉庫や物置は、普段あまり注目されない場所ですが、大きな価値を持つ貴重品が保管されていることがあります。
特に、倉庫の奥に積み上げられた箱や、棚の高い場所に置かれた袋などには、意外な発見が隠れているものです。
古いアルバム、故障した電子機器の中に保管されたデータ、さらには長期間見つからなかった宝飾品が見つかる可能性もあります。
物の移動には十分な注意を払い、整理整頓を意識しながら物を見直すことが肝心です。
【意外な場所3】家具の二重底や裏側
家具の中には、意図的に作られた二重底や隠しスペースが存在することがあります。
このような隠し場所に故人が特別な貴重品を保管していた可能性を考慮しましょう。
キャビネットの底を覗き込む、またはソファの裏側を触ってみるなど、直接的に目に見えない場所をしっかりと確認します。
また、古い家の中には、壁の中に秘密の金庫が埋め込まれている場合もあるため、それらも探してみる価値があります。
遺品整理で貴重品を見つける秘訣
貴重品をより効果的に見つけ出すには、計画的な遺品整理が求められます。
整然と進めることで、見落としを防ぐことができます。
整理方法を計画的に進める
遺品整理を成功させるためには、まず計画を立て、どのエリアをどのような順番で整理するのかを決めることが大切です。
まずは最も重要と思われるスペースや貴重品が潜んでいる可能性の高い部屋から始めましょう。
計画を立てることで、見落としや整理すべき場所を確実に把握することができ、効率的に進めることができます。
家族や友人との協力も、有意義で効率的な遺品整理に欠かせない要素となります。
家族や友人と協力した整理
遺品整理を一人で進めるのは大変です。
家族や友人と協力しながら整理を進めることで、忘れられていた思い出を共有し、貴重品の発見確率も高まります。
彼らの視点や記憶から、新たなヒントが得られるかもしれません。
また、複数の人がいることで、各所を同時に確認することも可能です。
労力を分け合い、精神的負担も軽減しつつ、効率的に作業を進行させましょう。
専門家への相談・依頼の活用
遺品整理において、専門的なアドバイスやサポートを受けることが重要です。
特に、故人が生前に財産を転がしていた可能性がある場合、プロの遺品整理業者に相談すると良いでしょう。
専門業者は経験と知識を用いて、効率的に貴重品を見つけ出すことができます。
また、貴重品の査定や、特殊な開錠が必要なケースでも、専門家の助けが役立ちます。
信頼できる専門家は、作業のストレスを大幅に軽減してくれるでしょう。
まとめ
遺品整理を行う際には、貴重品の存在を強く意識し、しっかりとその価値を見極めることが重要です。
また、チームで協力し専門家と連携することで、効率的に探すことが可能となります。
故人の残した大切なものを尊重しつつ、しっかり確認し、次世代へとつないでいく大切なステップを踏みましょう。
各エリアをくまなく探すことと、過去の思い出や知られざる秘密を探ることで、価値ある発見があるはずです。
そしてその経験は、家族に新たな結束と感謝の気持ちをもたらします。