遺品整理とは

遺品整理とは?

遺品整理とは、故人が残した品々を整理することです。

遺品整理の対象となるものは、生活雑貨や衣類、家具、家電製品など故人が生前に使用していたもの以外にも重要書類や貴金属などがあります。

銀行の通帳、遺言書、契約書といった重要な書類を処分しないように注意が必要です。

整理された品々は、遺族の中で大切に保管するもの、買取り、寄付し、または適切に処分するものに分けられます。

遺品整理は、お葬式やその他の手続きが終わって落ち着いた後に行われることが一般的ですが、思い出の品をすぐに片付ける気になれないという理由から、長い間放置されている方も多くいらっしゃいます。

遺品整理をおこなうにあたってエンディングノートは非常に重要な役割がありますので、エンディングノートが無いかを確認することも重要です。(詳しくは『遺品整理でエンディングノートが重要な理由』をご参照下さい。)

本記事では、遺品整理とはどういったもので、なぜおこなう必要があるのか、また、どのような注意点があるのかを分かりやすくご説明したいと思います。

どうして遺品整理をする必要があるの?

遺品整理を行う目的は、故人の思い出をふり返りながら、次のステップへ移行するための「区切り」という意味合いがあります。

遺品整理は、心理的な面以外にも、部屋を片付けるといった物理的な面や相続手続きに必要なものを整理するといった法的な面からも重要な作業です。

【遺品整理の必要性1】精神的な「区切り」をつける

精神的な「区切り」

故人との思い出に向き合いながら整理を行うことで、失った人への思いを整理し、喪失感を受け入れるプロセスとなります。

遺品整理をすることで、以下のような精神的な「区切り」がつくことが期待できます。

故人との別れを受け入れる

物理的に故人の持ち物を整理することで、故人がもうこの世にはいないという現実を改めて受け止め、気持ちの整理をつけることができます。

悲しみや喪失感を乗り越える

遺品整理は、悲しみや喪失感といった辛い感情に向き合うプロセスでもあります。このプロセスを通して、少しずつ心の傷を癒し、前に進むことができます。

故人の思い出を整理し、感謝の気持ちを持つ: 遺品に触れることで、故人との思い出を振り返り、感謝の気持ちを持つことができます。

これは、故人を偲び、その人生を尊重する行為でもあります。

新しい生活への一歩を踏み出す

遺品整理は、物理的な空間だけでなく、心の中の空間も整理する行為です。

これにより、新たな気持ちで未来に向かって歩み出すことができます。

遺品整理は、単に物を処分する作業ではありません。

故人との思い出を振り返り、感謝の気持ちを持ちながら、新たな一歩を踏み出すための大切なプロセスです。

【遺品整理の必要性2】物理的な空間の整理をする

故人の部屋や家を清掃し、物を整理することで、新たな生活を始めるための準備をすることができます。

大切な書類や貴重品を見つけ、適切に処理することもできます。

また、賃貸物件に住んでいた場合は、早期に部屋を明け渡す必要があるため、整理は不可欠です。

不要な物を処分することで、生活空間が整い、新しい生活のためのスペースを作ることができます。

【遺品整理の必要性3】法的な手続きがスムーズに行えるため

遺品から重要な書類や貴重品を見つけ出し、相続手続きやその他の法的な手続きを円滑に進めるためには、遺品整理が必須です。

貴重品や法的な手続きに必要な書類をしっかりと整理し管理することで、後の相続問題などのトラブルを防ぐことができます。

遺品整理って、どんなことをするの?

それでは、具体的に遺品整理とはどのようなことをするのかを見てみましょう。

【遺品の整理1】「必要なもの」と「不用なもの」の仕分け

遺品の仕分け

遺品には相続などの手続きに必要なものもあります。

そのため、まずは、相続などの手続きに必要な書類を整理することから始めます。

次に、故人が生前に愛用した品物や思い出の品などを分別し、ご家族で相談しながら保管する品と処分する品を決定します。

例えば、家族写真などの思い出の品は、家族で相談して保管するか廃棄するかを決めなければ、後でトラブルになる可能性もあります。

こういった「必要なもの」と「不用なもの」を仕分けることが最初の作業になります。

遺品整理のチェックリストを作成し、何をすべきか明確にすることも有効です。

当社では、この「仕分け作業」を非常に重視しており、依頼者様にヒアリングしながら丁寧に仕分けをおこなうことを心掛けています。

【遺品の整理2】不用品の買取・無料引取り

仕分けで「不用品」となったものを、買取又は無料で引き取ってもらう業者を探します。

買取を依頼する場合、きちんと価値を判断できる知識がある業者を選ぶことがポイントとなります。

当社の代表は、2009年より個人事業主「コレクターズ」としても、遺品などの買取を行っております。

また、買取は出来ないけれど、無料で引き取れるものもあります。

当社では、そういったものは障害者福祉施設と提携してネットやフリマなどで販売していただき、売上を工賃としてお支払いしています。(当社の障害者福祉施設様との提携に関しては、こちらのサイト「こけし・土鈴の買取・引取」でご紹介しております。

無料で引き取られる不用品が多ければ、後述します「不用品の廃棄」の費用が少なくすむというメリットもあります。

【遺品の整理3】運び出し

仕分けして買取・無料引取りとなったものを運び出します。

この時、遺品整理業者としては、遺品整理の作業をした場所をきれいにすることも忘れないようにする必要があります。

【遺品の整理4】不用品の廃棄

仕分けで処分すると決めたもので、買取も無料引取りもできなかったものは廃棄することになります。

家庭で出た廃棄物はご自身で「家庭用一般廃棄物」として処分する必要があります。

一般家庭から出る「家庭系一般廃棄物」は、市町村自らまたは市町村から委託を受けた「委託業者」が収集運搬しなければいけませんので、市町村の一般廃棄物運搬・処理の許可を持っている業者様との直接契約が必要になります。

当社では処分や運搬、又はお客様と業者様との契約の間に入る仲介などは出来ませんが、業者様への連絡などのお手伝いはさせていただきます。

遺品整理で捨ててはいけないもの

遺品整理は故人の生活の証を整理する大切なプロセスです。

しかし、捨ててはいけないものを見逃すと家族や法律上の問題に発展することもあります。

ここではそうした重要性について詳しく見ていきます。

法律的に捨ててはいけない遺品

日本の法律では特定の遺品を勝手に処分することが禁じられています。

例えば、戸籍謄本、年金手帳、パスポートなどの身分証明書類。

また、不動産の権利書や金融機関の通帳・印鑑など、重要な書類も含まれます。

これらは故人の財産や権利に直接影響するため、捨てずに保管し、適切な手続きが必要です。

これを怠ると、相続問題や法律上の紛争に発展する可能性もあります。

価値のある物品や貴重品

遺品整理の際には、金銭的価値や歴史的価値のある物品を見逃さないよう注意が必要です。

例えば、骨董品や芸術品、貴金属などはその価値が分からないまま捨ててしまうことも少なくありません。

また、古いアルバムや手紙、絵画など、見た目は価値がなさそうでも骨董品市場では高額で取引されることもあります。

遺品の評価が難しい場合は専門家に依頼することも考慮に入れるべきです。

故人の思い出が詰まった遺品

遺品整理では、故人の思い出が詰まった品々も大切に扱うべきです。

これには日常品や写真、手書きの手紙や日記などが含まれます。

これらはただの物品を超えて、故人の人生や感情を反映するタイムカプセルのような存在です。

家族間で共有し、故人を偲ぶ大切な時間としての価値を持っています。

捨てる前にもう一度、家族で話し合い、適切な保存方法を考えることが重要です。

デジタルデータとオンラインアカウント

現代では、遺品の中にはデジタルデータやオンラインアカウントも重要なものとして捨ててはいけません。

これには故人のメールアカウント、SNSアカウント、クラウドストレージに保存されたデータなどが含まれます。

これらの情報は、消失してしまうと二度と復元できないデジタルな思い出や重要な連絡先情報を含むことが多いため、適切に保管し、必要に応じてアクセスできる状態にしておくことが大切です。

遺品整理業者を選ぶ時の注意点

遺品整理業者を選ぶにあたってまず考えるべきは、業者が提供するサービスの質です。

専門的な知識と経験を持ち、適正な価格で、故人や家族に敬意を払ったサービスを提供しているかどうかを確認しましょう。

また、料金体系が明確で、追加費用や不明瞭な請求がないかを事前に確認することも忘れてはなりません。

口コミや評判をチェックする方法

業者選びの際には、過去にサービスを利用した人々の口コミや評判を調べることが有効です。

インターネット上でのレビューや評価、地域コミュニティでの噂などを参考にして、実際の利用者の声を聞くことができます。

口コミや評判は、信頼性や満足度を判断する上で一つの目安になります。

遺品整理の費用

遺品整理の費用

遺品整理の費用には明確な基準が存在せず、業者ごとに大きな差があることを理解することが大切です。

そのため、複数の業者から見積をとって比較検討することが大切です。

また、思わぬ高額請求を避けるためにも、事前に実績や口コミ、細かいサービス内容も確認しましょう。

一般的に、部屋の大きさや品物の量、清掃が必要な状態によって変動します。

また特殊清掃が必要な場合や、貴重品の査定・買取を含む場合には追加費用がかかることもあります。

オンラインで暮らしに関するサービスを予約できる「くらしのマーケット」のサイトでは以下のように書かれています。

遺品整理の費用相場は、家の広さなどにより異なりますが一般的に2K:9万円〜12万円、3DK:17万円〜20万円程度です。

遺品整理の基本と費用相場|注意点と料金を安くするコツも くらしのマーケット

遺品整理のスケジュール

不動産売却が決まったために遺品整理が急遽必要になったというケースも多くあります。

そういった期日が決まっている場合は、必ず業者に作業完了日の確認をしておく必要があります。

業者に依頼する場合、作業開始前にスケジュールを詳細に打ち合わせ、分別・搬出から清掃までの計画を立てるのがよいでしょう。

遺品整理と思い出の整理

遺品整理は単なる物品の処分にとどまらず、故人との思い出や感情の整理も含まれます。

遺品の一つ一つが故人の思い出や生きた証ともいえるため、感情を扱いながら慎重に作業を進める必要があります。

画像や手紙、日記などの個人的な遺品は特に敏感に扱うべきであり、ご遺族がどのように思い出を形に残すかを決めることが大切です。

大切な思い出の品は、ご家族で話し合い、適切な方法で保存または処分を決定するのが良いと思います。

まとめ

まとめ

遺品整理とは、故人の遺された品々を整理し、その人の足跡や生きた証を丁寧に処理する作業です。

遺品整理を行う適切な時期は、故人の遺族が精神的に準備ができたと感じたときであり、急がずゆっくりと行うことが大切です。

料金は業者によって異なり、作業の規模や内容に応じて変動するため、複数の見積もりを取ることが推奨されます。

注意点としては、業者選びは慎重に行い、信頼性や実績を十分に調査することが必要です。

また、遺品の中には貴重品や重要書類が含まれている場合があるため、それらの確認と保管も忘れてはなりません。

遺品整理は故人への最後のサービスともいえ、心理的には遺族にとって区切りをつける重要なプロセスです。

故人の品に触れることで、喪失感や悲しみが再度訪れることがありますが、一方で故人との良い思い出を回想し、感謝の気持ちを新たにするきっかけにもなります。

遺品の整理を通して故人との関係を見つめ直し、未来を前向きに捉えるための大切なステップとなることでしょう。

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