
はじめに
抜いても抜いても生えてくる、あの独特の香りの「ドクダミ」。
お庭の美しい景観を損なうだけでなく、大切に育てている他の植物の生育スペースまで奪ってしまう、本当に厄介な存在ですよね。
これまで色々な方法を試しては、また春になると力強く顔を出すドクダミに、心を折れそうになっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ドクダミの生態、最適な駆除方法、さらには最も重要な「二度と生やさない」ための完璧な再発防止策まで、分かりやすく説明したいと思います。
なぜドクダミは何度でも生えてくるのか?
なぜドクダミは何度でも生えてくるのでしょうか。
ドクダミのしつこさの秘密は、地上に見えている葉や茎ではなく、その地下に隠されています。
秘密は地下にあり!脅威の「地下茎ネットワーク」
ドクダミがしつこく繁殖する最大の理由は、地下茎(ちかけい)と呼ばれる地下に張り巡らされた茎にあります。
ドクダミは多年草で、冬になると地上部はいったん枯れますが、地下では白い地下茎が生き残り栄養を蓄えているため春にまた芽を出します。
この地下茎はネット状に広範囲へ伸び、深さ20~30cm程度の土中層に密集しています(条件次第では50cm以上の深さに達することもあります。
横方向へは1メートル以上にも渡って伸びることが報告されており、地下でお互いにつながったドクダミ群落を形成します。
つまり、地表に見える数株を処理しただけでは地下茎ネットワーク全体は健在で、すぐ別の場所から新芽を出してしまうのです。
さらに厄介なのは、この地下茎の驚異的な再生力です。
ドクダミは地下茎の一部が少しでも残っていれば、そこからでも簡単に新芽を出して再生してしまいます。
手で引き抜く際にも地下茎がプツプツと切れやすく、断片が土中に残ればそこからどんどん再生してしまいます。
このようにドクダミは地下茎さえ残せば何度でも甦るため、表面の草を刈ったり一部の根を取った程度では根絶できません。
敵を絶つには地中の地下茎まですべて対処する必要があるのです。
だからこそ「抜いても抜いても生えてくる」わけで、ドクダミ退治には地下茎ごと根こそぎ退治する確実な方法が求められます。
ドクダミ駆除で気をつける3つの点
ドクダミは地下茎があるため、葉っぱの部分を刈っても完全に駆除することはできません。
ドクダミを駆除する前に、以下の3点を念頭に置いておかれると良いと思います。
【気を付ける点1】引き抜いた場合
地上部を引っ張っても、地下茎は非常にちぎれやすく、大部分が地中に残ってしまいます。
そして、その残ったほんのわずかな地下茎の断片からでも、ドクダミは簡単に再生してしまうのです。
実際、生育旺盛な初夏の時期には、地上部を刈り取っても1週間もしないうちにまた新たな芽が顔を出すこともあります。
【気を付ける点2】耕して駆除した場合
ドクダミを根絶やしにしようとスコップや耕運機で土を耕すと、地下に広がる地下茎ネットワークが細かく分断されます。
すると、その切れ切れになった一つひとつの断片が、それぞれ新しい個体として再生を始めてしまいます。
結果として、耕す前よりもドクダミの数が増えてしまうという事態を引き起こす可能性もあります。
【気を付ける点3】草刈り機や鎌で刈る場合
草刈り機や鎌で地表部分を刈り取る方法は、最も手軽に見えますが、地下茎にはほとんどダメージを与えられません。
刈られたドクダミは、地下茎に蓄えた養分を使って、旺盛な時期には1週間も経たないうちに新しい芽を出して再生する場合もあります。
草刈りや草抜きで地下茎を完全に除去するのは難しいのですが、後ほどご説明します除草剤や防草シートを使って、ドクダミが生えてくるのを抑制するという方法もあります。
駆除に最適な時期とタイミング
ドクダミ退治は「いつやるか」も重要です。
効果的な駆除には時期とタイミングを見極める必要があります。
一般的に、ドクダミが花を咲かせる前の時期(5月頃)がもっとも効果的な駆除のタイミングとされています。
ドクダミは6~8月頃に白い花を咲かせますが、その開花期は地下茎をぐんぐん発達させる時期でもあります。
つまり花が咲いてしまうと地下茎が栄養満タンになってしまうため、開花前に駆除するのが根まで効かせるコツです。
では具体的に季節ごとの対策を見てみましょう。
時期(目安) | 対策のポイント |
---|---|
春(4~5月) | ドクダミの新芽が出始める時期です。 葉が茂りきる前に状況を把握し、駆除計画を立てましょう。 4~5月は駆除の準備期間と位置付け、必要な道具や除草剤を用意します。 また、5月には成長が本格化するので最初の除草剤散布の適期です。 雨が降った後は避け、晴天が続くタイミングで実施しましょう。 |
初夏~夏(梅雨前~8月) | 梅雨前後の6~7月はドクダミが最も生い茂り、養分を盛んに地中へ送る時期なので、除草剤を使うならこの時期が最も根まで効きやすくなります。 葉が大きく広がっているため薬剤の吸収率も高く、地下茎まで枯死させやすいでしょう。 梅雨の晴れ間や梅雨明け直後の晴天日に計画的に除草剤を散布します。 また、手作業でも土が湿っていて根を抜きやすい時期です(雨上がり直後などはチャンス)。 猛暑期の作業は熱中症に注意し、朝夕の涼しい時間帯に行ってください。 |
秋(9~10月) | 夏の駆除で取り切れなかったドクダミがあれば、秋がリベンジのチャンスです。 9~10月でも気温が高い日は成長が続くので、残存株に再度除草剤を散布したり、手作業で抜き切ったりします。 秋も深まると地上部が徐々に枯れていきますが、地下茎は生きています。 冬に備えて栄養を蓄える時期でもあるため、この段階でしっかり対処しておくことが大切です。 |
冬(11~3月) | 地上部は枯れて姿を消しますが、地下茎は休眠状態で越冬しています。 冬場に除草剤を撒いても葉がないので効果はほとんど望めません。手作業で掘るにも地中の位置が分かりづらく非効率です。 そのため冬は駆除には不向きですが、逆に再発防止の準備期間と考えましょう。 土壌改良(排水改善など)や防草シートの設置など、来春に向けた予防策の施工には適した季節です。 落葉樹の剪定で日当たりを良くすることも効果的です。 |
梅雨前後の時期がドクダミ退治の最重要シーズンであることは、多くの専門家も指摘しています。
例えば「ドクダミは6~8月に一気に成長するので、5月頃に除草剤を散布するのが効果的」「雨が降らない2~3日程度の晴天日を選んで散布する」ことが重要だとされています。
また、真夏は葉が厚く薬剤が浸透しにくい場合もあるので、できれば梅雨明け直後までに主要な駆除作業を終えておくと良いでしょう。
冬は上記の通り駆除には適しませんから、焦らず春を待って十分な準備をしてから取り組むのがおすすめです。
ドクダミのライフサイクルと駆除のタイミング
ドクダミの駆除を効果的に行うには、そのライフサイクルを知り、最も弱っているタイミングを狙うことが重要です。
ドクダミは、6月から8月にかけて、白い花びらのように見える苞(ほう)を持つ、特徴的な花を咲かせます。
実はこの開花時期は、地下茎が最も活発に成長し、来年に向けて養分をぐんぐん蓄える時期と重なっています。
したがって、駆除の最大のチャンスは、ドクダミが本格的に成長し、地下茎に養分を送り始める前の「5月頃」です。
この時期に葉が15cmほどに伸び、花が咲く直前のタイミングで徹底的に叩くことで、夏の爆発的な繁殖を効率よく抑えることができるのです。
あなたに最適な駆除方法は?状況別・徹底比較
ドクダミを根絶する方法はいくつかありますが、お庭の状況やご自身の方針に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。
ここでは代表的な駆除方法について、それぞれの効果や手間、安全性などを比較しながら解説します。
まずは主な方法を一覧で比較してみましょう。
駆除方法 | 効果の確実さ | 即効性 | 手間 | コスト | 安全性 |
---|---|---|---|---|---|
除草剤を使う | ◎ 地下茎まで枯らせる (再発率低い) | △ 効果発現まで数日~1週間程度 (すぐには枯れない) | ◎ 噴霧するだけで簡単 (広範囲でも省力) | ◯ 薬剤代程度 (数百~数千円) | △ 薬剤の扱いに注意 (他植物や環境へ配慮) |
手で掘り取る | ◯ 根ごと減らせるが断片残りやすい | ◎ 作業直後に除去完了 (目に見えて無くせる) | × 重労働・時間かかる (広範囲では困難) | ◎ 道具代のみ (ほぼゼロ円) | ◎ 薬剤不使用で安心 (体力以外のリスク低) |
防草シートを敷く | ◎ 再発防止効果大 (長期にわたり抑制) | ◯ 設置後徐々に枯死 (即座には枯れない) | ◯ 設置作業が必要 (施工の手間は中程度) | △ シート代・固定具代など (面積次第で費用) | ◎ 薬剤不使用で安全 (環境への負荷少) |
※上記は一般的な目安です。実際の効果や必要手間はドクダミの広がり具合や環境によって変わります。
では、各方法の詳しい手順やコツを見ていきましょう。
【方法1】除草剤で根まで枯らす(広範囲の駆除向け)
ドクダミを根こそぎ退治する最も確実な方法の一つが、除草剤の力を借りるやり方です。
特にドクダミが庭中に広範囲に繁殖してしまった場合や、手で掘り起こすのが困難な場合には、除草剤の使用が有効です。
ポイントは地下茎まで効くタイプの除草剤を選ぶこと。
具体的には、茎や葉にかけて植物全体に薬剤を行き渡らせる茎葉処理型で、かつ有効成分が根まで移行する移行性(トランスロケーション)を持つ除草剤が適しています。
代表的なのがグリホサート系除草剤で、ホームセンターでもよく見かける「ラウンドアップ」(グリホサート塩剤)などがこれにあたります。
グリホサート系除草剤は植物の葉から成分が吸収され、時間はかかりますが徐々に根や地下茎まで行き渡って最終的に枯死させることができます。
ドクダミのように地下茎が主役の雑草には、この茎葉処理型+移行性の組み合わせが効果的です。
ドクダミにおすすめの除草剤比較表
商品名 | タイプ | 主成分 | 特徴 |
ラウンドアップマックスロード | 液体(希釈) | グリホサートカリウム塩 | プロも使用する定番。雨に強く、散布後1時間で効果を発揮。根までしっかり枯らす。 |
ネコソギシリーズ | 液体・顆粒 | グリホサート系、ブロマシル等 | 液体(シャワータイプ)と顆粒タイプがあり、駆除と予防を両立できる。持続性が高い製品が多い。 |
サンフーロン | 液体(希釈) | グリホサートイソプロピルアミン塩 | ラウンドアップのジェネリック品として知られ、コストパフォーマンスが高い。効果は同等。 |
グリホエースPRO | 液体(希釈) | グリホサートイソプロピルアミン塩 | 業務用としても使われる強力タイプ。スギナなど頑固な雑草にも効果的。 |
おすすめの除草剤と使い方
グリホサート系の除草剤には、希釈して使う濃縮タイプと、水で薄める必要がなくそのまま散布できるスプレータイプがあります。
広範囲のコスパを考えると希釈タイプが経済的ですが、商品によって適切な希釈倍率が異なるため、ラベル記載の倍率を厳守してください(倍率を間違えると効果が出ないことがあります)。
面倒であれば初めからストレートタイプを購入すると安心です。
また、希釈タイプを使う場合は薬剤を葉にしっかり付着させるための展着剤(植物用の界面活性剤)を混ぜると効果が向上します。
これはプロがよく使うテクニックで、薬剤が葉から雨のように垂れ落ちずにしっかり付着・浸透するようになるためドクダミへの効き目が格段に良くなります。
散布のタイミングと注意点
除草剤は晴れた日を選んで散布しましょう。
ドクダミがもっとも成長している5月~7月頃に散布するのが効果的ですが、その際2~3日は雨の降らない日を選ぶことが大切です。
せっかく散布してもすぐ雨で流れてしまうと効果が激減するためです。
また風の弱い日にしましょう。
風が強いと薬液が飛散して近くの植栽まで枯らしてしまう恐れがあります。
周囲にバラや野菜など枯らしたくない植物がある場合は、段ボール板で囲う・風のない早朝に行うなど工夫してください。
対象の葉にだけ薬剤が付くように丁寧に散布することがポイントです。
🏷️ 豆知識:除草剤散布が難しい場所では?
花壇や大切な植木の根元など、噴霧だと他の植物に薬剤がかかってしまいそうな場所では、除草剤の塗布という手があります。実際、ラウンドアップマックスロードなどの製品でも「散布」「塗布」「土壌注入」の3通りの使い方が推奨されています。葉に直接ハケやスポンジで薬液を塗る方法なら飛散しないので、周囲の植物を傷める心配が少なくなります。ただし塗り忘れの葉があるとそこだけ生き残るので、根気強くすべてのドクダミに塗布する必要があります。
ペットや子供がいる場合の対策
薬剤使用に不安があるご家庭向けに、より安全性の高い除草剤も市販されています。
例えば食品成分由来のペラルゴン酸を主成分とする除草剤は土壌中で速やかに分解され、環境への影響が少ないタイプです。
ペラルゴン酸はお茶やトウモロコシなどにも含まれる成分で、散布後数日で雑草を枯らす速効性があります(ただし葉や茎を枯らす効果が中心で、グリホサート系ほど地下茎への移行性は強くありません)。
小さなお子さんやペットがいる場合、散布後にそのエリアに立ち入らないようにする、完全に乾いてから遊ばせる、といった配慮も大切です。
最近の調査ではグリホサート剤も適切に使えば発がん性や神経毒性は認められず安全とされていますが、いずれにせよラベルの使用上の注意をよく読み、用法用量を守って安全に留意してください。
【方法2】手作業で根こそぎ抜く(狭い範囲・無農薬派向け)
「薬剤は使いたくない」「狭い範囲だけ生えているから自分で何とかしたい」という方には、手作業での除去が現実的な選択肢です。
ドクダミの地下茎を一本ずつ丁寧に掘り起こしていく地道な作業になりますが、ポイントを押さえれば再発リスクを減らすことができます。
準備する道具
まずは作業しやすいように道具を揃えましょう。
スコップ(移植ゴテ)や草抜き用フォークなど土を掘り起こす道具、根を切らないように土をすくう根掘り用スコップがあると便利です。
加えて軍手や作業用手袋、膝をつく場合の膝当て、抜いた雑草を入れるゴミ袋やバケツも用意します。
服装は汚れても良い長袖長ズボンで、日差しの強い日は帽子もかぶりましょう。
抜根のコツ
ドクダミの根を手で抜く際は、タイミングと抜き方にコツがあります。
まず作業日としては雨上がり直後など土壌がしっとり柔らかい時を狙いましょう。
乾燥した硬い土だと地下茎がポキポキ切れやすく、断片を残してしまうリスクが高まります。
スコップやフォークを使い、ドクダミが生えている株の周囲の土を深め(目安10~15cm以上)に掘り起こすことも大事です。
地下茎は浅い層に広がっていますが、浅くすくおうとすると途中で千切ってしまう恐れがあります。
株の根元から少し離れた場所にスコップを差し込み、テコの要領でゆっくり土を持ち上げて、地下茎をなるべく切らずに塊ごと引き抜くイメージで作業しましょう。
無理に引っ張ってちぎれてしまった場合は、千切れた断面の方向にさらに掘り進め、残りの地下茎を追いかけて取り除きます。
一度に根絶するのはなかなか難しいですが、根気強く掘り進めてください。
「地下茎を完全に取り除くのは人力では不可能」とも言われますが、丁寧に作業すればかなりの量の根を除去できるはずです。
特に範囲が狭い場合や、初期段階のドクダミであれば手作業で駆逐できる可能性は高いです。
掘り残しがないかどうか、掘った穴の側面や底も手で探ってみましょう。白い紐状の地下茎が少しでも残っていれば取り除きます。
処分とアフターケア
掘り出したドクダミは絶対にその場に放置しないでください。
土に残しておくと、切れた地下茎からまた根付いてしまう恐れがあります。
抜いた株や根はすべて袋に入れ、可燃ごみなど自治体の指示に従って処分しましょう(可燃ごみの日まで間がある場合は袋の口をしっかり縛り、日光の当たる場所に置いて枯死させておくと安心です)。
作業後しばらくは、新しい芽が出てこないか定期的にチェックしましょう。
見逃した地下茎片から芽が出る可能性があるため、もし数週間後に再発した芽を見つけたら、小さいうちにすぐ摘み取ることが大切です。
一度に根絶できなくても、出てきた芽をその都度摘み取っていけば地下茎の栄養が消耗し、やがて衰弱していきます。
🏷️ 豆知識:スギナも一緒に生えている場合は?
ドクダミと並んで駆除が難しい雑草にスギナ(杉菜)があります。もし庭にドクダミとスギナが両方生えているなら、正直かなり大変な状況ですが、基本的な対策はドクダミと共通です。グリホサート系の除草剤はスギナに対しても有効なので、両方まとめて除草剤散布するのが効率的でしょう。手作業で両方の根を完全に掘り取るのは非常に骨が折れます。どうしても薬剤を使いたくない場合は、防草シートを敷いて両方とも光を遮断してしまう方法が現実的です(スギナも日光が無い環境では徐々に弱ります)。いずれにせよ、「ラスボス級」の雑草相手ですので、根気強く対策を続ける覚悟が必要です。
【方法3】防草シートで再発防止(予防重視の長期策)
ドクダミをある程度除去できたら、再発を防ぐために防草シート(雑草防止シート)の活用も検討しましょう。
防草シートとは、地面に敷いて日光を遮断するシート状の資材で、ホームセンターなどで手に入ります。
ドクダミに限らず雑草全般の発生を長期間抑制できるため、「二度と雑草を生やしたくない」エリアには最適な予防策です。
防草シートの効果
防草シートを一度敷いてしまえば、その下では雑草は育ちません。
ドクダミも地下茎から芽を出そうとしても太陽光が当たらないため光合成ができず、次第に枯れていきます。
実際、ドクダミは新芽が柔らかく脆いので、防草シートを突き破ることもできません。
シートの下で芽を出したとしても光合成できないまま栄養分を使い果たし、最終的には地下茎ごと衰弱して絶えていくのです。
つまり、防草シートはドクダミの再発防止に非常に高い効果を発揮します。
防草シートの選び方
ドクダミ対策として防草シートを使うなら、遮光率が高く耐久性のある製品を選びましょう。
具体的には、厚手のポリプロピレン製不織布シートや、紫外線劣化しにくい材質のものが適しています。
薄手で安価なシートは光を通しやすかったり破れやすかったりして、せっかく敷いても隙間からドクダミが顔を出す恐れがあります。
目安として、耐用年数5年以上(できれば8年・10年など)のプロ用防草シートを選ぶと安心です。
一度施工すれば長期間効果が続きますので、結果的にコスパも良くなります。
※防草シートの選び方に関しましては『プロが教える「防草シートの選び方」』のページでも詳しくご説明していますので、ご参照下さい。
正しい敷き方のポイント
防草シートの効果を最大化するには、施工を丁寧に行うことが重要です。
以下に主なポイントをまとめます。
- 雑草を取り除いて地面を整地する: シートを敷く前に、地表に出ているドクダミなどの雑草は可能な限り取り除きます(シートで覆えばいずれ枯れますが、凸凹があるとシートが浮いて隙間ができるため)。石や枝なども取り除き、地面を平らにならしておきましょう。
- シートは重ね張り&しっかり固定: シート同士の継ぎ目は10cm以上重ねて敷き、雑草が継ぎ目から出てこないようにします。さらに固定用のU字ピン(専用のプラスチックまたは金属製ピン)で、シートの端や重ね部分を50cm間隔程度で地面にしっかり留めます。ピン留めが甘いと風でシートがめくれ、その隙間から雑草が生えてきてしまいます。
- 端部の処理: シートの端からも雑草が侵入しがちです。端は地中に埋め込むか、レンガや石、砂利などを置いて光が入らないように処理します。特にお隣との境界付近では、地下茎が横から侵入してくる可能性があります。必要に応じて境界に沿ってシートを垂直に埋設することで、隣地からの地下茎侵入も防げます。
- 上に覆材を敷く: シートを敷いただけでは直射日光で劣化しやすく、見た目も黒っぽいシートが露出して美観を損ねます。砂利やウッドチップ、人工芝などを上に重ねて敷き詰め、シートを保護するとともに景観を向上させましょう。こうすることでシートの耐久性も増し、一石二鳥です。
防草シートのメリット・デメリット
防草シートによる雑草対策のメリットは、なんといっても一度施工すれば長期間効果が持続することです。
他の方法のように天候や季節を選ばず、極端な話いつ施工しても構いません(除草剤のように「効きやすい時期」を気にする必要がなく、年中好きなときに作業できるのも利点です)。
また薬剤不使用なので環境や周囲の植物、人畜への影響もほぼありません。
デメリットとしては、初期費用と手間がかかる点が挙げられます。
シート代や固定ピン代が面積に応じて必要ですし、重労働ではありませんが敷設作業にもそれなりの時間と労力を要します。
また「その場所に植物を植えられなくなる」という面もあります。
将来的に花壇にしたい場所などには不向きです(シートを外せば植えられますが、その時はまた雑草対策を考える必要があります)。
とはいえ、「とにかく二度とドクダミを生やしたくない!」という強い意思のある場所には防草シートが最善策と言えるでしょう。
🏷️ 豆知識:除草剤+防草シートの併用も◎
ドクダミの地下茎が広範囲に及んでいる場合、除草剤散布と防草シート敷設を併用するとより確実です。まず成長期にグリホサート系除草剤を散布して可能な限り地下茎を枯死させ、その後で防草シートを施工すれば、仮に生き残った根があっても芽を出させない万全の態勢が整います。「除草剤を何度も散布する手間を省きたい」「絶対に再発してほしくない」という場合に検討してみましょう。ただし、防草シート施工直後に庭木や草花を植える予定がある場所では、残留性のある土壌処理剤(粒状除草剤)の使用は避けてください。
【方法4】環境にやさしい「自然素材での駆除」と「土壌改良」
薬剤の使用に抵抗がある方や、小さなお子様、ペットがいるご家庭では、自然素材を使った方法を検討したいかもしれません。
ただし、その効果と限界を正しく理解することが重要です。
熱湯・お酢・重曹の効果と限界
- 熱湯: 沸騰したお湯をドクダミにかけると、地上部は火傷した状態になり枯れます。しかし、地下深くにある地下茎まで熱が届くことはないため、効果は一時的です。根絶のためには、何度も繰り返しお湯をかけ続ける必要があります。
- お酢・重曹: 濃度の高いお酢や重曹水は、植物の細胞を破壊したり、呼吸を妨げたりすることで、葉を枯らす効果があります。しかし、これも地上部への効果が主で、地下茎を根絶するほどの力はありません。
これらの方法は、残念ながらドクダミの根絶には至りません。
「一時的に目立たなくする」程度の効果と考えるのが現実的です。
また、重曹の過剰な使用は土壌のアルカリ化や塩分(ナトリウム)の蓄積による塩害を引き起こす可能性があり、お酢はコンクリートや金属を劣化させる恐れがあることも覚えておきましょう。
根本的な環境改善
「苦土石灰」でドクダミが住みにくい土壌へ自然由来の方法で、より根本的な対策をしたい場合に有効なのが「土壌改良」です。
これは即効性のある駆除方法ではありませんが、長期的な再発防止に繋がります。
- 原理:ドクダミは、日本の雨の多い気候で自然と酸性に傾きがちな土壌を好みます。そこで、アルカリ性の資材である「苦土石灰(くどせっかい)」を土に混ぜ込み、土壌のpHを中性~弱アルカリ性に変えることで、ドクダミが生育しにくい環境を作り出すのです。
- 使い方:まず、手作業でできる限りドクダミを地下茎ごと取り除きます。1平方メートルあたり100g~150gを目安に、苦土石灰をドクダミが生えていたエリアに均一に撒きます。スコップやクワで土を深く掘り起こし、石灰と土がしっかり混ざるようにすき込みます。散布後すぐに植物を植えるのは避け、最低でも1~2週間は土をなじませる期間を置きます。
- 注意点:この方法はあくまで「抑制・予防」策です。また、土壌がアルカリ性に傾くため、ブルーベリーやツツジ、シャクナゲといった酸性土壌を好む植物の近くでは使用を避ける必要があります。
業者に依頼する場合の費用と選び方
「ドクダミが広範囲に広がりすぎて、とても自分では手に負えない」「体力的に作業が難しい」「確実かつスピーディーに根絶したい」。
そんな時は、プロに依頼するのも賢明な選択です。
- 依頼先の種類と特徴
- 造園業者・植木屋: 庭全体の美観を考慮した専門的な作業が期待できます。剪定や他の庭の手入れとまとめて依頼すると効率的です。
- 草刈り・除草専門業者: 専門の機材を使い、広範囲の除草を効率的に行います。除草作業に特化しているのが強みです。
- 便利屋: 手軽に依頼でき、様々な作業に対応してくれますが、ドクダミのような厄介な雑草への専門知識は業者によります。
- シルバー人材センター: 比較的安価で、丁寧な手作業が期待できます。ただし、大規模な作業や専門的な機材が必要な場合は対応が難しいこともあります。
ドクダミ駆除のプロ依頼 費用相場と特徴の比較
依頼先 | 料金体系 | 費用相場 | メリット | デメリット |
造園業者 | 日当制、面積(㎡) | 15,000~30,000円/日 | 専門性が高く、仕上がりが美しい。庭全体の相談が可能。 | 除草単体だと割高になることがある。 |
除草専門業者 | 面積(㎡) | 2,500~10,000円/10㎡ | 効率的でスピーディー。広範囲の作業に強い。 | 業者によって技術力に差がある場合も。 |
便利屋 | 時間制 | 4,000~6,000円/時間 | 手軽に依頼できる。他の雑務も頼める。 | 専門性は高くない場合が多い。 |
シルバー人材センター | 時間制、日当制 | 1,500円前後/時間 | 料金が安く、作業が丁寧。 | 大規模作業や急な依頼は難しいことがある。 |
※上記はあくまで目安です。草の繁茂状況、地形、処分費の有無などによって料金は変動するため、必ず複数の業者から見積もりを取ることをお勧めします。
まとめ
ここまで、ドクダミの生態から具体的な駆除方法から再発防止策までを詳しく解説してきました。
ドクダミ駆除の成功の鍵は、
- 「地下茎を制すること」
- 「駆除と予防をセットで行うこと」この2点に尽きます。
一度で完璧に終わらせようと焦る必要はありません。
この記事でご紹介した様々な方法の中から、ご自身のライフスタイルやお庭の状況に合ったものを組み合わせ、あなたのペースで根気強く続けていくことが、成功への一番の近道です。
手のかかる厄介者ですが、正しい知識を持って、適切な対策を講じれば、必ずドクダミの悩みから解放される日は来ます。
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