放置している空き家にゴキブリやねずみなどの害虫が発生していないか心配な方も多いと思います。
本記事では空き家に発生しやすい害虫や害獣にはどのようなものがあり、発生を予防する方法、発生した場合の対処法を分かりやすくご説明したいと思います。
目次
放置した空き家に発生しやすい害虫・害獣
放置された空き家は、窓やドアの隙間、屋根や壁の破損などが発生しやすく、そこから害虫や害獣が容易に侵入できるようになります。
空き家には人の出入りがないため、侵入した害虫や害獣がそのまま住み着きやすいと言えます。
食べ残しや生ゴミ、ペットフード、髪の毛、フケ、衣類などが掃除されていない場合は、ネズミやゴキブリ、ハエなどの害虫にとって格好の餌となります。
また、新聞紙や段ボール、衣類などはネズミの巣作りの材料になります。
空き家を放置しておくと、発生する可能性のある害虫や害獣の一部を以下にご説明します。
ゴキブリ
生ゴミや食べ残しなどを放置しておくと、ゴキブリが大量発生する可能性があります。
特に、キッチンや浴室などの水回りは注意が必要です。
シロアリ
木材を食べるシロアリは、放置された空き家の木材を食害し、建物の強度を低下させる恐れがあります。
特に、湿気が多い場所はシロアリが発生しやすいため注意が必要です。
ハチ
スズメバチやアシナガバチなどは、空き家の軒下や屋根裏などに巣を作る可能性があります。
巣に近づくと刺される危険性があるため、注意が必要です。
ダニ・ノミ
ダニやノミは、畳やカーペット、布団などに潜み、アレルギーや皮膚炎を引き起こす可能性があります。
ネズミ
食料を求めて空き家に侵入し、糞尿による汚染や病原菌の媒介、電気配線をかじることによる火災の危険性があります。
東京都の保健医療局の資料でも以下のように、空き家はねずみに入られやすいと回答されています。
ねずみは外敵から守られ、巣材が手に入りやすい環境を好むため、人がいなくて静かで、かつ巣材になる衣類や紙などが残っている空き家は絶好の繁殖場所になる。この場合、餌がなくても他の家の台所やペットの餌場など、行きつけの餌場に出入りして採餌することもできる。従って、空き家になる場合は、事前に侵入防止対策をとることが大事である。
東京都保健医療局:行政担当者のための ねずみについてよくある質問&回答集
ハクビシン・アライグマ
屋根裏や天井裏に侵入し、糞尿による悪臭や騒音、断熱材の損傷などの被害をもたらす可能性があります。
狂犬病などの感染症を媒介する恐れもあります。(農林水産省:台湾における狂犬病の発生について)
猫
空き家の庭やベランダなどをトイレとして利用したり、侵入して棲みつくことがあります。
糞尿による悪臭やノミ・ダニの発生源となる可能性があります。
空き家の害虫・害獣の発生による3つの被害
空き家にねずみや害虫が発生すると、建物や家財の損傷、健康被害、近隣への被害、資産価値の低下など、様々な問題が起こる可能性があります。
具体的には、以下のような問題が起こる可能性があります。
【問題1】物的被害
空き家にねずみや害虫が発生すると、建物や家財の損傷といった物的被害が出る可能性があります。
建物の損傷
ねずみは電気配線をかじったり、断熱材を巣材として持ち去ったりするため、火災や漏電の原因となることがあります。
また、シロアリなどの害虫は木材を食い荒らし、建物の強度を低下させる可能性があります。
家財の損傷
ねずみは家具や衣類をかじったり、糞尿で汚したりする可能性があります。
また、虫によって書籍や衣類が食害されることもあります。
資産価値の低下
空き家がねずみ・害虫被害に遭うと、修繕費用がかかり、資産価値が低下する可能性があります。
【問題2】健康被害
空き家にねずみや害虫が発生すると、感染症などの健康被害が出る可能性があります。
ねずみはサルモネラ菌、レプトスピラ症、ハンタウイルスなどの病原体を保有しており、糞尿や死骸を介して人間に感染させる可能性があります。
また、ダニやノミなどの害虫もアレルギーや皮膚炎の原因となることがあります。
【問題3】近隣被害
ねずみは繁殖力が強いため、空き家から周辺の住宅に侵入し、被害を拡大させる可能性があります。
また、ねずみは糞尿を大量に排泄するため、空き家内に悪臭が充満し、近隣住民の生活環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
害虫も近隣住民の生活環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
空き家の害虫・害獣発生の4つの予防策
空き家でねずみや害虫の発生を防ぐには、まずは空き家を放置せず、定期的に訪れて清掃や点検を行うことが重要です。
害虫や害獣の被害は、早期発見・早期対応が重要ですので、少しでも異変を感じたら、すぐに対応しましょう。
具体的には以下のような対策を組み合わせることで、空き家への害虫・害獣の侵入を防ぎ、建物を良好な状態に保つことができます。
【予防策1】清掃・整理整頓
- 定期的な清掃: 空き家を定期的に訪れ、家の中や庭を清掃しましょう。食べ残しや生ゴミ、落ち葉などは放置せず、適切に処分することが重要です。
- 整理整頓: 物を整理整頓し、害虫や害獣が隠れやすい場所をなくしましょう。特に、段ボールや新聞紙などは放置しないように注意が必要です。
- 換気: 定期的に窓を開けて換気を行い、湿気を溜めないようにしましょう。湿気は、ゴキブリやシロアリなどの害虫を呼び寄せる原因になります。
- 庭木の剪定: 庭木が伸び放題になると、害虫や害獣の隠れ家になる可能性があります。定期的に剪定を行い、風通しを良くしましょう。
【予防策2】侵入経路の遮断
- 建物の補修: 壊れた窓ガラスや隙間などを修理し、害虫や害獣の侵入を防ぎましょう。
- 換気口や通気口の対策: 換気口や通気口には、細かい網目のネットを取り付けるなどして、害虫や害獣の侵入を防ぎましょう。
- 排水溝の対策: 排水溝には、蓋をするか、ネットを取り付けるなどして、ネズミなどの侵入を防ぎましょう。
【予防策3】忌避剤・捕獲器の設置
- 忌避剤: 害虫や害獣の種類に応じて、市販の忌避剤を設置しましょう。忌避剤は定期的に交換することが重要です。
- 捕獲器: ネズミやハクビシンなどの害獣には、捕獲器を設置することも有効です。捕獲した場合は、適切な方法で処分しましょう。
【予防策4】専門業者への依頼
- 害虫駆除: 害虫が大量発生してしまった場合は、専門の害虫駆除業者に依頼しましょう。
- 害獣駆除: ネズミやハクビシンなどの害獣が侵入してしまった場合は、専門の害獣駆除業者に依頼しましょう。
- シロアリ駆除: シロアリの被害が疑われる場合は、専門のシロアリ駆除業者に調査と駆除を依頼しましょう。
【種類別】空き家で害虫・害獣が発生した場合の対処法
ねずみや害虫発生の予防策を講じたにも関わらず、ねずみや害虫が発生してしまった場合の対処法をご紹介します。
害虫・害獣駆除を行う際は、近隣住民への配慮も忘れずに行いましょう。
特に、薬剤を使用する場合は、事前に近隣住民に知らせ、理解を得ることが重要です。
駆除後も、定期的な清掃や点検を行い、害虫・害獣が再び発生しないように対策を続けましょう。
【害虫1】ゴキブリ
市販の殺虫剤や毒餌、燻煙剤などを利用して駆除します。
大量発生している場合は、害虫駆除業者に依頼することも検討しましょう。
駆除後も発生源となる生ゴミや食べ残しを放置しないように注意し、こまめな清掃と換気を心掛けましょう。
【害虫2】シロアリ
シロアリの被害が疑われる場合は、早急に専門のシロアリ駆除業者に調査と駆除を依頼しましょう。
シロアリ駆除は専門知識と技術が必要となるため、自分で行うことはおすすめできません。
駆除後は定期的な床下点検や換気、湿気対策を行いましょう。
【害虫3】ハチ
ハチの巣を発見した場合は、絶対に近づかず、専門の駆除業者に依頼しましょう。
ハチに刺されると、アナフィラキシーショックを起こす危険性もあるため、自分で駆除しようとせず、プロに任せることが重要です。
【害虫4】ダニ・ノミ
定期的に掃除機をかけたり、布団を天日干しするなどして、清潔な環境を保ちましょう。
市販のダニ駆除剤を使用することも有効です。
ペットがいる場合は、定期的にノミ・ダニ予防薬を投与しましょう。
【害獣1】ネズミ
市販の殺鼠剤や粘着シート、捕獲器などを利用して駆除します。
大量発生している場合は、害獣駆除業者に依頼することも検討しましょう。
駆除後は侵入口を塞ぎ、食料となるものを放置しないように注意しましょう。
【害獣2】ハクビシン・アライグマ
屋根裏や天井裏に侵入している場合は、専門の害獣駆除業者に依頼しましょう。
ハクビシン・アライグマは狂犬病などの感染症を媒介する可能性があるため、素手で触ったりせず、専門家に任せるようにしましょう。
駆除後は侵入口を特定し、金網や板などでしっかりと塞ぐことが重要です。
【害獣3】猫
猫が侵入しないように、窓や扉を閉めておく、猫よけグッズを設置するなどの対策を行いましょう。
糞尿被害がある場合は、忌避剤を使用したり、猫が嫌がる超音波発生器を設置することも有効です。
近隣の飼い猫の可能性もあるので、その場合は、飼い主に相談してみましょう。
まとめ
本記事では空き家に発生しやすい害虫や害獣にはどのようなものがあり、発生を予防する方法、発生した場合の対処法を説明させていただきました。
害虫・害獣の発生を予防するのは、空き家を放置せず、定期的に訪れて清掃や点検を行うことが重要です。
害虫や害獣が発生してしまうと所有者だけではなく、近隣の住民の方にも迷惑がかかることがあるので、早めに対策をとるようにしましょう。