不法投棄されやすい空き家の5つの特徴

相続して放置している空き家にゴミなどが不法投棄されていないか心配だという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では不法投棄されやすい空き家の特徴と不法投棄を予防する対策に関してわかりやすくご説明したいと思います。

空き家に不法投棄されるもの

空き家に不法投棄されるゴミは、景観を損ねる、悪臭や害虫の発生、火災の原因となるなど、周辺環境に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、危険物の不法投棄は、人命に関わる重大な事故につながる可能性もあります。

空き家には、以下のようなものが不法投棄される可能性があります。

  • 家庭ごみ:生ごみ、食べ残し、ペットボトル、空き缶、ビン、紙くず、プラスチック製品、衣類、布団など、一般家庭から排出されるゴミ
  • 粗大ごみ:家具、家電製品(テレビ、冷蔵庫、洗濯機など)、自転車、タイヤ、カーペット、マットレスなど、収集日に出せない大型のゴミ
  • 事業系ごみ:廃材、建設廃材、産業廃棄物、農薬や肥料の空容器、廃油など、事業活動に伴って排出されるゴミ
  • その他:危険物(薬品、塗料、バッテリーなど)、動物の死骸など

不法投棄されやすい空き家の5つの特徴

不法投棄されやすい空き家の5つの特徴

不法投棄されやすい空き家には、いくつかの特徴があります。

本記事では、不法投棄されやすい空き家の特徴を5つご紹介します。

【特徴1】人の目が届きにくい

人通りの少ない場所、周囲に建物が少ない、道路から見えにくい場所にある空き家は、人目に触れる機会が少なく、不法投棄を目撃されるリスクが低いため、狙われやすいです。

以下のような条件の空き家は注意が必要です。

  • 袋小路の奥:道路の行き止まりに位置し、通行人が少ない場所。
  • 高台や崖の上:周囲からの視線が遮られやすい場所。
  • 樹木が多い庭:敷地内に多くの樹木があり、外部からの視界を遮る。
  • 高い塀やフェンスに囲まれた家:敷地内が見えないように、高い塀やフェンスで囲まれている。

【特徴2】管理されていない

以下のような空き家は、長期間放置され、適切な管理が行われていないと判断されて、不法投棄されてしまう可能性があります。

老朽化・破損

老朽化・破損
  • 外壁のひび割れ、塗装の剥がれ、コケやカビの発生
  • 屋根瓦のずれや破損、雨漏りの跡
  • 窓ガラスの割れ、サッシの錆や腐食
  • 扉の歪み、破損、錠前の劣化

雑草・樹木の繁茂

隣家に越境しやすい草木
  • 庭や敷地内に雑草が生い茂り、建物全体が見えにくい
  • 樹木が伸び放題で、電線や隣家にかかっている
  • 落ち葉や枯れ枝が積もっている

【特徴3】既に不法投棄されている

一度不法投棄が行われた空き家は、以下のような理由で、さらなる不法投棄を招きやすい傾向にあります。

「壊れ窓理論」

壊れ窓理論

これは、軽微な犯罪や秩序違反を見逃すと、それがエスカレートし、より深刻な犯罪を誘発するという考え方です。

空き家にすでにゴミが捨てられていると、「ここはゴミを捨てても良い場所」という認識が広まり、さらなる不法投棄を招きやすくなります。

管理されていない印象

管理されていない印象

特徴2でご説明しましたように、管理されていないと思われる空き家には不法投棄がされやすい傾向にあります。

さらに、すでに不法投棄されている場合は、所有者や管理者が不在、もしくは管理が行き届いていないという印象がさらに強くなり、「誰にも見られない」「責任を問われない」と不法投棄をする側が思う可能性があります。

アクセスの容易さ

一度不法投棄が行われた空き家は、すでに侵入経路が確立されていたり、ゴミによって死角ができている場合があります。

これにより、新たな不法投棄がより簡単に行われてしまう可能性があります。

心理的なハードルの低下

きれいな場所にゴミを捨てることには心理的な抵抗がありますが、すでにゴミがある場所への不法投棄は、その抵抗感が薄れてしまうと考えられます。

「自分一人くらいなら…」という心理が働き、不法投棄を助長してしまう可能性があります。

【特徴4】人の気配がない

空き家には人が住んでおらず、人の気配がありませんので「誰にも見られない」という心理から不法投棄をされる可能性があります。

  • 洗濯物が干されていない
  • カーテンが閉まりっぱなし
  • 照明がついていない
  • ポストに名前がない
  • 電気メーターが停止している

【特徴5】動物の侵入

動物の侵入

空き家の老朽化や破損箇所を利用して小動物が侵入している空き家があります。

動物が侵入している空き家は、無秩序状態というイメージをもたれることがあります。

そういった場所ではモラル意識が低下しやすくなり、「ルールを破っても大丈夫」という心理が働き、不法投棄を正当化してしまう可能性があります。

また、動物の糞尿や巣などがすでに存在することで、ゴミの存在が目立たなくなるという錯覚も生じます。

不法投棄されないための対策

これらの状態を避けるためには、以下の対策が有効です:

【対策1】定期的な巡回と清掃

定期的な巡回と清掃

空き家に不法投棄されないためには、以下のように定期的な巡回と清掃などをおこなうことが非常に重要です。

巡回や清掃は、一度行うだけでは効果が薄れてしまいます。定期的に継続して行うことが大切です。

巡回

定期的に巡回を行い、空き家の状態を確認しましょう。

特に、人通りの少ない場所や、過去に不法投棄があった空き家は、より頻度の高い巡回が必要です。

巡回時には以下の点の状況を写真やメモなどで記録しておくと、変化に気づきやすく、今後の対策に役立ちます。

  • ゴミの有無: 敷地内や周辺にゴミが捨てられていないか確認します。
  • 建物の状態: 窓や扉の破損、外壁の劣化など、建物の状態をチェックします。
  • 郵便物の有無: ポストに郵便物が溜まっていないか確認します。
  • 動物の侵入: 動物の侵入の形跡がないか確認します。
  • その他: 不審な点がないか、全体的な状況を観察します。

清掃

きちんと管理されている家だということが分かるように、以下のような点に気をつけて定期的に清掃をましょう。

  • 敷地内の清掃: 敷地内に落ちているゴミや雑草を取り除き、清潔な状態を保ちます。
  • 建物の清掃: 可能な範囲で、窓や玄関周りの清掃を行います。
  • 郵便物の処理: ポストに溜まった郵便物は定期的に取り除き、転送手続きなどを検討します。

【対策2】防犯対策

防犯対策

空き家に不法投棄されないためには、防犯グッズをつかった対策や設備を設置することも有効です。

物理的な対策

  • 窓や扉の強化:補助錠の設置、防犯フィルムの貼り付け、窓ガラスを割れにくいものへの交換など
  • 塀やフェンスの設置:敷地への侵入を防ぐ
  • 庭木の剪定:死角を減らし、侵入しにくくする
  • 砂利の敷設:侵入時に音を立てることで威嚇効果を高める

設備での対策

  • 防犯カメラの設置:不審者の侵入を監視・記録する
  • センサーライトの設置:人の動きを感知して点灯し、威嚇効果を高める
  • 防犯ブザーの設置:窓や扉が開けられた際に警報を鳴らす
  • タイマーの設置:人の気配を出すために定期的に照明を点灯させる

【対策3】地域との連携

空き家の不法投棄は景観や治安の面で近隣の住民に迷惑をかける可能性もあります。

隣住民との日常的なコミュニケーションを大切にし、良好な関係を築くことで、気軽に情報交換や相談ができる環境を作ります。

情報共有と協力体制の構築

  • 近隣住民への周知: 空き家の所有者や管理者は、近隣住民に空き家の状況や連絡先を伝え、不審な点があれば連絡してもらうよう依頼します。
  • 地域の見守り活動への参加: 自治会や町内会などが行う、空き家の見守り活動に参加し、地域ぐるみで空き家を見守る体制を作ります。
  • 情報交換: 定期的に近隣住民と情報交換を行い、空き家の状況や不審な点などを共有します。

共同での対策実施

  • 清掃活動: 近隣住民と協力して、空き家の周辺や敷地内の清掃活動を行います。
  • 防犯パトロール: 近隣住民と協力して、空き家周辺の防犯パトロールを実施します。
  • 看板やポスターの設置: 不法投棄禁止を呼びかける看板やポスターを、地域住民と協力して設置します。

まとめ

まとめ

本記事では、不法投棄されやすい空き家の5つの特徴と不法投棄されないための対策をご説明させていただきました。

管理されていない空き家と思われることが、不法投棄を招くきっかけになりますので、まずは定期的な管理が不法投棄を防ぐ対策として重要になることがお分かりいただけたのではないかと思います。

所有している空き家が遠方にあって管理が難しいという場合は、空き家を管理している会社に相談してみるのもよいでしょう。

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