
「空き家の草刈りを放置すると行政から指導・勧告を受けますか?」というよくあるご質問に回答します。
回答:状況次第で「指導・勧告」を受ける可能性はあります
空き家の草刈り(敷地の管理)を放置したからといって必ず行政から指導・勧告が来るわけではありません。
ただし、雑草の繁茂が原因で 近隣の生活環境に悪影響(通行の妨げ、害虫・害獣、衛生・景観の悪化、火災リスク等)が出ると、自治体が把握(通報・巡回など)して、段階的な対応に進むことがあります。
空家法の対象は「空家等(建築物等)およびその敷地」です。
敷地の雑草・樹木の繁茂が通行障害や衛生・景観悪化など周辺へ悪影響を及ぼす場合、自治体が「管理不全空家等」として指導・勧告を検討する材料になり得ます。
必要な措置として、除草や「立木竹の伐採」等が求められることもあります。
行政が動く主なルート(全国共通の法律+自治体条例)
| ルート | 対象 | 行政の対応(典型) | 草刈り放置で問題になりやすい例 |
|---|---|---|---|
| 空家法(管理不全空家等) | 放置すれば「特定空家等」になりそうな段階 | 指導 → 勧告(自治体運用で段階) | 雑草・樹木が繁茂し、苦情が継続/環境悪化が進行 |
| 空家法(特定空家等) | 危険・衛生・景観などの悪影響が大きい状態 | 助言/指導 → 勧告 → 命令 →(代執行等) | 道路にはみ出し、見通し悪化や通行障害/衛生・景観の著しい悪化 |
| 空き地(雑草)条例等 | 建物の有無に関わらず、管理不良の土地 | 指導・助言 → 勧告 → 命令 → 代執行(条例による) | 雑草が道路へはみ出す、標識が見えない、不審者が隠れやすい等 |
国交省のガイドライン整理では、空き地条例の多くが「指導・助言」「勧告」「命令」までを規定しています。
一方で「代執行」を規定する条例は一部にとどまり、強制力の強い措置ほど自治体によって有無・運用が分かれます。
(参考:国土交通省『空き地の適正管理及び利活用に関するガイドライン(令和7年4月)』
「指導・勧告」まで進みやすい典型パターン
自治体が動きやすいのは、だいたい次のようなケースです(=近隣影響が見えやすい)。
- 雑草・ツルが道路や歩道にはみ出す/通行や見通しを妨げる
- 害虫・害獣、悪臭、ごみの不法投棄を誘発し、衛生上の問題になっている
- 繁茂で景観を著しく損なう、防犯上好ましくない(隠れ場所になる等)
- 「連絡がつかない」「対応しない」などで、改善が見込めない
放置した場合に起こり得る「現実的な不利益」
1)勧告で、固定資産税の優遇(住宅用地特例)が外れる可能性
空家法では、勧告を受けた場合に、敷地が「住宅用地特例」の対象から除外され得ます(管理不全空家等・特定空家等どちらも)。
※住宅用地特例は、敷地の固定資産税だけでなく(自治体によっては)都市計画税にも影響します。
※また、勧告を受けた状態で課税基準日(1月1日)を経過すると、特例が解除される旨を案内している自治体があります。
※さらに、勧告の有無にかかわらず、家屋が客観的に「住宅に該当しない」と判断される場合には、特例対象外となる取扱いも示されています。
- 固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置
- 空家等対策の推進に関する特別措置法(春日井市)
- 管理不全空家等に対する指導・勧告について(米沢市)
- 空き家対策の推進を目的とした固定資産税の住宅用地特例に関する取組について
住宅用地特例の概要
固定資産税の課税標準が小規模住宅用地(200㎡以下)で1/6、200㎡超部分で1/3などに軽減。
これが外れると、税負担が大きく増えることがあります(自治体・土地条件で変動)。
2)命令に違反すると「50万円以下の過料」
特定空家等について自治体から命令が出て、それに違反した場合は50万円以下の過料の対象になり得ます。
「50万円以下の過料」は、特定空家等に対して出される「命令」に違反した場合が対象です(管理不全空家等の段階では通常“命令”はありません)。
また、報告要求に応じない/虚偽報告/立入調査の拒否などは「20万円以下の過料」の対象となり得ます。
3)実際に「指導・勧告」が行われている(統計)
国交省・総務省の調査(令和7年3月31日時点)では、改正法施行後の管理不全空家等への指導3,211件・勧告378件が公表されています。
(参考:国土交通省ホームページ『空き家対策に取り組む全国の市区町村の状況について(令和7年3月31 日時点調査)』
「特定空家等」でも、助言・指導や勧告、代執行等が累計で報告されています。
行政から連絡が来たときの対応(トラブルを大きくしないコツ)
- 無視しない(放置が長いほど、次の段階に進みやすいです)
- いつまでに何をするか、改善計画を具体的に返答(草刈り日程、範囲、処分方法)
- 作業後は写真で記録し、必要なら報告
- 遠方・高齢などで難しい場合は、管理委託や草刈り業者の定期管理も検討
まとめ

- 草刈り放置=即アウトではないものの、近隣影響が出ると指導・勧告の可能性は十分あります。
- 勧告まで行くと、固定資産税の優遇が外れるなど実害が出る可能性があります。
- 命令違反は50万円以下の過料の対象になり得ます。
空き家の草刈りは「近隣との関係」と「行政対応」の両面で早めの手当てが得策です。
ご自身での対応が難しい場合は、定期管理(年数回)も含めて外注するのも現実的な選択肢です。
草刈りに関するよくあるご質問
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