空き家の草で近所から苦情が来た時にやるべきこと

はじめに

はじめに

空き家の草刈りについて近所から苦情が来たときは、「とりあえず草を刈れば終わる話」と考えないほうが安心です。

空家等対策の推進に関する特別措置法では、空き家の所有者や管理者には適切な管理が求められており、対象は建物だけでなく、その敷地も含まれます。

敷地内の雑草の除草や樹木の剪定を含めて、所有者側の責任として案内している自治体も多くあります。

しかも、雑草の問題は珍しい悩みではありません。

国土交通省の資料では、空き家所有者の管理面の心配事として「樹木・雑草の繁茂」を挙げた人が41.9%おり、腐朽・破損に次いで大きな不安の一つになっています。

苦情が来た時点で早めに動くことは、近所付き合いのためだけでなく、空き家をこれ以上管理不全にしないためにも大切です。

苦情が来たら最初にやること

苦情を受けた直後は、感情的に反応するよりも、何に困っているのかを具体的に把握することが大切です。

雑草そのものが問題なのか、草に隠れてごみがたまっているのか、虫や臭いが出ているのか、樹木の枝が越境しているのかで、必要な対応は変わります。

自治体の案内でも、雑草繁茂による相談は、害虫、花粉の飛散、交通障害、不法投棄、野良猫の住みつきなど、複数の困りごとと結びついています。

苦情の内容を確認する

苦情の内容を確認する

近所から「草がひどい」と言われても、その中身は一つではありません。

道路から見て見苦しいという景観の問題もあれば、雑草で見通しが悪くなって危ない、蚊や害虫が増えた、ごみが捨てられやすくなった、といった生活環境の問題もあります。

国土交通省のガイドラインでも、雑草等の繁茂に起因する典型的な悪影響として、害虫の発生、不法投棄、交通障害、火災の危険、犯罪の温床が挙げられています。

業者や管理代行で状況をつかむ

業者や管理代行で状況をつかむ

遠方に住んでいてすぐに見に行けない場合は、そのまま時間を空けるより、現地確認を外部に頼むほうが現実的です。

宮代町などは、遠方などで直接除草ができない所有者に対して、シルバー人材センターへの相談を案内しています。(※参考:埼玉県宮代町ホームページ『空き家の管理は、宮代町シルバー人材センターにご相談ください』)

また、空き家管理事業者の紹介制度では、外観点検、通風、通水、清掃、庭木の剪定、除草などが管理内容の例として示されています。

近隣の方に対応方針と時期を伝える

苦情が来たら最初にやること

苦情が来たあとに一番避けたいのは、「連絡したのに何も動いていない」と受け取られることです。

さいたま市は、空き家にする場合には近隣の方へ連絡先を伝えておくことを勧めていますが、これは苦情が来た後にも同じで、所有者と連絡が取れるだけで近隣の不安はかなり下がります。(※参考:さいたま市ホームページ『空き家等は適正に管理する必要があります』)

すぐに作業ができなくても、「現地確認を依頼した」「いつまでに草刈りする予定か」を伝えるだけで、話がこじれにくくなります。

苦情の内容まず確認したいこと初動の考え方
草が伸びて見た目が悪い草の高さ、道路や隣地へのはみ出し、空き家全体の管理状態景観の問題に見えても、管理不全の入口になりやすいので、草刈りとあわせて敷地全体を見直します。
虫や臭いがつらい害虫、湿気、ごみ、不法投棄の有無草刈りだけでなく、清掃やごみの撤去、必要なら害虫対策まで視野に入れます。
道路や隣地にはみ出して危ない見通し、通行障害、枝やつるの越境交通障害や越境があると苦情が強まりやすいので、優先して対応します。
遠方で自分では動けない現地確認の方法、依頼先、作業日程管理代行や専門業者を使い、状況把握と作業依頼を同時に進めるのが現実的です。

放置しない方がいい理由

草刈りの苦情は、単なる近所付き合いの問題で終わらないことがあります。

空き家が放置されると、安全面、衛生面、防犯面、景観面で周囲に悪影響が広がるため、国も自治体も早めの管理を求めています。

空家法の改正後は、「まだ特定空家ではないが、このままでは危ない」という段階の空き家にも対応しやすくなっています。

草の問題は景観だけで終わらない

草の問題は景観だけで終わらない

国土交通省の特設サイトでは、空き家を放置すると、倒壊などの安全面だけでなく、ねずみや害虫の発生、不法侵入など、衛生面や防犯面でも周囲に悪影響を及ぼすと説明しています。

川越市も、雑草を放置すると害虫の発生、花粉の飛散、ごみの不法投棄、火災の発生源などにつながると案内しています。(※参考:川越市ホームページ『あき地の適正な管理をお願いします』)

苦情が来たときは、見た目よりも、その先の被害を近所が心配していることが少なくありません。

空家法の対象には建物だけでなく敷地も含まれる

空家法の対象には建物だけでなく敷地も含まれる

「建物は空いているが、庭や敷地の草が伸びているだけだから、空き家問題ではない」と考えるのは危険です。

空家等対策の推進に関する特別措置法」では、第2条に空家等には住宅だけでなく、附属する工作物やその敷地が含まれると明記されています。

さらに、空家法改正後は、適切な管理をしないまま放置すれば特定空家等になるおそれがある状態の空き家は、「管理不全空家等」として指導や勧告の対象になり得ます。

自治体の基準や窓口は一律ではない

もう一つ気をつけたいのは、雑草への対応が全国一律ではないことです。

国土交通省の空き地ガイドラインでは、雑草繁茂の基準を地表から30cm以上とする自治体もあれば1m以上とする自治体もあり、面積基準を設ける例もあるとされています。

また、岡山市のように、家や建物がある場合は「あき地条例」による指導の対象外としている自治体もあります。

つまり、同じ「草が伸びている」でも、空き家担当なのか、生活衛生なのか、地域整備なのか、窓口が分かれることがあります。

遠方で管理できないときの進め方

親の家を相続したまま遠方に住んでいる方にとって、空き家の草刈りは「やる気がない」のではなく、「行けない」が本音のことも多いです。

だからこそ、無理に全部を自分で抱え込むより、自治体の相談窓口や民間の管理サービスを上手に使うほうが、結果として近所にも迷惑をかけにくくなります。

国のガイドラインでも、市町村は必要に応じて所有者に情報提供、助言、その他必要な援助を行うことが適切だとされています。

草刈りだけでなく、管理代行の利用も考える

毎回その都度、草刈りだけを単発で頼む方法もありますが、空き家がしばらく続く見込みなら、管理代行のほうが向いていることがあります。

さいたま市は、空き家所有者が管理を委託できる業者を検索できる「空き家の持ち主応援隊」を案内しています。

管理代行は、除草だけでなく、見回り、清掃、通風、通水、剪定などを組み合わせられるため、苦情が出る前の予防にもつながります。

自治体の相談窓口に相談する

自治体の相談窓口に相談する

全国の多くの市区町村には、空き家に関する相談窓口が設けられています。

国土交通省の「空家等対策の推進に関する特別措置法」の施行以降、自治体は空き家対策に積極的に取り組むことが求められており、所有者向けの管理相談や業者紹介などのサポートを受けられる場合もあります(出典:国土交通省)。

ただし注意点が一つあります。

自治体によっては、「空き家の所有者からの活用相談を受ける窓口」と「近隣住民からの苦情を受け付ける窓口」が別の部署に分かれていることがあります。

たとえば京都市では、近隣住民からの相談は各区役所、所有者からの活用相談は都市計画局の空き家相談窓口とそれぞれ窓口が異なります。

いきなり窓口に行くのではなく、事前に電話で「空き家の管理について相談したいのですが、担当部署はどちらになりますか?」と確認しておくとスムーズです。

枝の越境が主な苦情の場合

枝の越境が主な苦情の場合

実際には、近所の苦情が「草刈り」ではなく、「木の枝が越境している」「落ち葉が大量に飛んでくる」といった内容であることもあります。

この場合は、空き家対策だけでなく相隣関係の問題も入ってきます。

千葉市は、単なる相隣関係の問題には市は介入できない場合があると案内しており、越境した枝については改正民法に基づく扱いも説明しています。

苦情の中身が枝や境界に関わるなら、空き家担当だけでなく法律相談も視野に入れたほうが安全です。

相談先向いている場面主に期待できること
市区町村の空き家・生活環境担当どの制度や部署が対象か分からないとき、苦情が行政に入っていそうなとき状況確認、制度案内、所有者への助言・指導、専門窓口の紹介などが期待できます。窓口名は自治体ごとに異なります。
草刈り業者・造園業者・管理代行業者すぐ現地に行けないとき、継続管理したいとき現地確認、除草、剪定、清掃、見回り、通風・通水などの実務を任せやすいです。
弁護士などの法律専門家枝の越境、境界、相続、所有者不明、近隣紛争が絡むとき相隣関係や相続を含む法的整理の相談がしやすくなります。

市役所から連絡が来た場合

近所からの苦情が続いたり、状態が悪化したりすると、所有者に対して自治体から文書や連絡が来ることがあります。

この段階では、怖がって放置するより、何を求められているのかを読み取り、改善に向けて動くことが大切です。

空き家の管理は一度きりで終わらないことも多いため、再発防止まで含めて考えておくと、同じ悩みを繰り返しにくくなります。

行政からの文書の内容を確認する

行政からの文書の内容を確認する

市役所から連絡が来たら、まず見るべきなのは「どの状態が問題なのか」と「いつまでにどうしてほしいのか」です。

仙台市は、管理不全空家等については特定空家等に該当する状態にならないよう指導を行い、改善が進まない場合には勧告を行うことがあると案内しています。

つまり、連絡は単なるお知らせではなく、改善のための入り口です。

放置せず、できる対応と時期を整理して返答することが大切です。

勧告まで進むと税の軽減措置に影響する

空き家の管理を後回しにした結果、状態が悪化すると、税や行政措置にも影響が出ます。

国土交通省の特設サイトでは、「管理不全空家」や「特定空家」への指導に従わず勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が受けられなくなると説明しています。

仙台市も、勧告を受けた場合には固定資産税等の住宅用地の特例から除外され、命令違反には50万円以下の過料があると案内しています。

草刈りの苦情を軽く見ないほうがよい理由はここにあります。

近隣に連絡先を伝え定期管理を行う

近隣に連絡先を伝え定期管理を行う

再発防止で効果が大きいのは、「何かあれば連絡できる状態」をつくることです。

さいたま市は、家屋などを空き家にする場合には近隣の方に連絡先を伝えておくことを勧めています。

また、熊本市は、近隣に迷惑が掛からないよう、年に数回の除草を呼びかけています。

全国共通の回数ルールがあるわけではありませんが、少なくとも「苦情が来たら刈る」ではなく、「苦情が来る前に確認する」体制へ変えることが、いちばん現実的な予防策です。

売却・賃貸・解体も選択肢になる

売却・賃貸・解体も選択肢になる

今後も長く住む予定がなく、遠方管理の負担が重いなら、草刈りだけで延命する発想から一歩進んで、売却、賃貸、解体も検討したほうがよい場合があります。

国土交通省の特設サイトも、空き家は放置せず、「仕舞う」(除却)、「活かす」(活用)の行動をとることが大切だと案内しています。

毎年同じ苦情が来る状態なら、管理方法そのものを見直す時期に来ている可能性があります。

まとめ

まとめ

空き家の草刈りで近所から苦情が来たときは、まず「何が問題になっているのか」を具体的に確認し、現地確認と草刈りの手配を急ぐことが大切です。

空き家の管理責任は所有者側にあり、対象は建物だけでなく敷地も含まれます。

雑草の放置は、害虫、不法投棄、交通障害、防犯・火災不安などにつながり、状態によっては空家法上の「管理不全空家等」や「特定空家等」に近づいていくおそれもあります。

すぐに現地へ行けないなら、業者や管理代行を使い、自治体の相談窓口にも早めに相談するのが現実的です。

市役所がすぐに所有者の代わりに草刈りしてくれるとは限らず、自治体によって窓口や基準も違うため、「自分の地域ではどこに相談すべきか」を早めに押さえることが重要です。

近隣には連絡先や対応時期を伝え、今後は定期管理の仕組みをつくることで、苦情の再発を防ぎやすくなります。

管理が難しいと感じたら、売却や活用まで含めて考えることが、結果としていちばん確実な解決になることもあります。

株式会社サンクル

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