
「鉄骨造の解体費用は木造より高いですか?」というよくあるご質問にお答えします。
一般的には鉄骨造(S造)の解体費用は木造より高くなりやすいです。
理由は「壊しにくさ(切断・撤去の手間)」と「搬出・分別の負荷」が増えやすいからです。
ただし、立地や建物のつくり次第で差が縮む(場合によっては逆転する)こともあります。
公的資料から見える「木造」と「非木造(鉄骨等)」の目安
国の制度で用いる除却工事費の上限単価として、木造:28,000円/㎡、非木造:41,000円/㎡が示されています(補助事業等の算定用の考え方)。(参考:国土交通省『令和4年度における住宅局所管事業に係る標準建設費等について』)
東京都内の助成制度でも、同趣旨の単価(木造28,000円/㎡・軽量鉄骨造41,000円/㎡)が使われる例があります。(参考:足立区ホームページ『不燃化特区について』)
| 区分(参考:助成等の算定で使われる例) | 単価の目安 | 木造比 |
|---|---|---|
| 木造 | 28,000円/㎡ | 1.00 |
| 軽量鉄骨造など(非木造の例) | 41,000円/㎡ | 約1.46 |
※この単価は「実際の相場」を保証するものではなく、制度上の算定・上限として使われる目安です。現場条件で上下します。
鉄骨造が木造より高くなりやすい主な理由
- 切断・撤去の手間が増えやすい:鉄骨はボルト・溶接・金物が多く、重機解体に加えてガス切断等が絡むと工数が増えます。
- 付帯材が増えがち(外壁・床・耐火被覆など): ALC等の外壁材、床のデッキプレート、耐火被覆材など、分別・搬出が増えるとコストに影響します。
- 分別解体・再資源化の手間がコストに反映される:一定規模以上の解体は分別解体や再資源化等が義務付けられ、事前届出も必要です(解体は延床80㎡以上が基準の一つ)。
- アスベストの事前調査・報告等で追加コストが出やすい:一定規模以上の解体では、石綿含有の有無にかかわらず事前調査結果の報告が必要になるなど、手続き・対応が費用に影響します。
- 産業廃棄物の適正処理(マニフェスト等):東京では、解体で出る産業廃棄物について排出事業者(元請)がマニフェスト交付を行う等の運用が整理されています。
参考情報
- 国土交通省ホームページ『建設リサイクル法の対象となる建設工事では届出が必要です!』
- 環境省ホームページ『大気汚染防止法が改正されました』
- 東京都環境局ホームページ『建設工事・解体工事を行う皆様へ』
鉄骨でも「差が縮む/安くなる」ことがあるケース
- 前面道路が広く、重機・搬出車両がスムーズに入れる(手壊し・小運搬が減る)
- 形がシンプルで、増改築が少ない
- 内装・設備の残置物が少ない
- 鉄スクラップとして有価物回収が見込める(見積で控除される場合あり)
- アスベスト等の追加対応が不要/少ない
東京・埼玉で見積差が出やすい“構造以外”のポイント
| 見積が動く要因 | 高くなりやすい例 |
|---|---|
| 搬出条件 | 住宅密集地、狭い道路、電線・隣地が近い、車両待機が必要 |
| 近隣対策 | 養生を厚くする、散水・防音、作業時間制限、交通誘導員 |
| 地中・基礎 | 地中埋設物、土間コン厚い、杭・地下室 |
| 法令対応 | 分別解体の手間、届出、石綿の事前調査・報告 |
| 廃棄物処理 | 分別が細かい、処分先が遠い、マニフェスト運用 |
失敗しない見積もりの取り方
- 見積は「解体本体」「付帯工事(ブロック塀・庭木・土間など)」「残置物」「地中リスク」「石綿対応」を分けて明細が出ているか確認
- 延床80㎡以上なら、建設リサイクル法の届出・分別解体の説明があるか確認
- 廃棄物処理はマニフェスト等、適正処理の説明があるか(東京・埼玉はこの運用が重要)
- 可能なら現地調査つきで複数社比較(同条件で比較しないと金額差の理由が見えません)
まとめ

「鉄骨造=必ず高い」ではないものの、多くのケースで木造より高くなりやすいです。
まずは“構造差”だけで判断せず、東京・埼玉で費用が動きやすい「搬出条件・近隣対策・地中・石綿・廃棄物処理」をセットで見積チェックするのが、納得感のある解体につながります。
株式会社サンクル


