解体費用で見積り後に追加になりやすい項目は何ですか?

解体費用で見積り後に「追加」になりやすいのは、以下の3タイプがほとんどです。

  1. 見積時点では数量・難易度が確定しにくい。
  2. 法令対応の要否が調査して初めて判明する。
  3. 近隣・安全対策が現場条件で増減する。

特に古い建物・増改築が多い建物ほど、追加が起きやすくなります。

解体費用で追加になりやすい項目(代表例一覧)

追加になりやすい項目なぜ増えやすい?事前にできること(追加を減らすコツ)
残置物(家具・家電・ゴミ)撤去解体工事とは別扱いになりやすく、量が読みにくい「残置物なし」にしてから引き渡す/写真で量を共有し見積に明記
地中埋設物(古い基礎・杭・浄化槽・井戸・ガラ等)掘ってみないと分からない代表格事前に図面・過去工事資料を渡す/「埋設物の単価・精算方法」を契約で決める
アスベスト(事前調査・届出/報告・除去)調査で“あり/なし”が決まり、除去は工程も処分費も跳ねやすい見積前に事前調査の実施範囲を確定/「含有が見つかった場合の対応」を見積条件に書く
フロン類回収(業務用エアコン・冷凍冷蔵機器等)機器の有無で費用が変わる/未回収だと手続き・回収が必要業務用機器の有無を事前に申告/回収の段取りを見積に含める
建設リサイクル法対応(分別解体・再資源化・届出関連)対象工事だと分別・搬出管理が増えやすい対象要件に当たるか確認し、分別・処分ルートまで見積内訳で確認
産業廃棄物処分費の増加(混合廃棄物・特殊廃棄物など)“分別不足”や想定外の材で処分単価が上がる「分別の前提」と「処分先・種類別単価」の明記/写真・現地確認を丁寧に
敷地条件による手間増(狭小地・搬出距離・2t車しか入れない等)重機が入らず手壊し・小運搬・車両回数増搬入経路・駐車位置を現地で一緒に確認/車両条件を見積条件に書く
近隣・安全対策(養生・散水・防音・交通誘導など)周辺状況で対策レベルが変わり、人員・資材が増える近隣状況(通学路・狭い道路)を共有/「交通誘導員が必要になる条件」を事前に合意
外構・付帯物(ブロック塀、カーポート、庭木、物置など)“建物本体だけ”の見積になりがち付帯物をリスト化し、撤去範囲を図や写真で確定

法令対応で追加費用になる項目

建物を解体するだけではなく、法令で対応が決められていて費用がかかるものもあります。

簡易的な見積りをされた後に、これらの項目があるとわかると見積りに追加される可能性があるので注意しましょう。

その中でも代表的な例を以下にご紹介します。

1) アスベスト

解体・改修では、石綿含有建材の事前調査が必要で、一定規模以上の工事は自治体へ調査結果の報告が必要です(例:解体で床面積80㎡以上、改修で請負金額100万円以上等の条件)。(参考:環境省ホームページ『石綿事前調査結果の報告について』)

さらに、事前調査は講習修了者等が行うこと、記録保存、電子システムでの届出など、手続き面も強化されています。(参考:厚生労働省・石綿総合情報ポータルサイト『改正石綿則のポイント』)

見積書に「事前調査費」「(含有があった場合の)除去費の算定方法」「処分費の扱い」が書かれていないと、追加になりやすいです。

2) フロン類

建物解体時のフロン類回収に関する注意喚起や資料が環境省から出ており、解体時に回収が必要になるケースがあります。(参考:フロン排出抑制法ポータルサイト『フロン排出抑制法の概要』)

家庭用ルームエアコンと別に、店舗・事務所の業務用空調/冷凍冷蔵があると追加になりやすいので、事前に機器リストを共有すると強いです。

3) 建設リサイクル法

一定規模以上の解体(例:床面積80㎡以上)は、分別解体・再資源化の枠組みや届出が関係します。

対象かどうかで、分別・搬出・管理コストが変わるため、「対象/非対象」をまず確認しましょう。

4) 産業廃棄物

建設廃棄物は廃棄物処理法に沿った適正処理が前提で、手順の考え方が環境省資料にも整理されています。(参考:環境省ホームページ『建設工事等から生ずる廃棄物の適正処理について』)

建設工事由来の廃棄物は元請の責任が軸になる旨を自治体FAQでも説明しています。(参考:大阪府ホームページ『建設工事から生ずる産業廃棄物のよくあるご質問(FAQ)』)

見積り後の追加を防ぐための7つの見積チェック項目

  1. 見積の前提条件(建物範囲・付帯物・残置物の有無)を文章で残す
  2. 現地調査の写真を見積書に紐づけてもらう(「この写真の範囲を含む」)
  3. 地中埋設物は“出た場合の単価・精算方法”を先に決める(m³、t、日当など)
  4. アスベストは「事前調査費」と「含有時の対応」を分けて明記(報告・届出の要否も確認)
  5. 業務用機器(フロン)の有無確認を項目化(有なら回収費・証明関係を見積へ)
  6. 騒音・振動などの届出や作業制限で工期が延びる可能性を確認(対策費・誘導員の条件)
  7. 追加工事は「事前承認がない限り実施しない」ルールを契約・発注書に入れる

(なお、粉じん対策の養生シート等は一律の法令義務でない場合もありますが、仕様書等で推奨され、近隣配慮として実施されることが多いです。)

まとめ

まとめ

解体費用の追加は、「見積時点で見えにくいもの(残置物・地中埋設物・敷地条件)」と、「調査や法令対応で後から確定するもの(アスベスト・フロン・分別/廃棄物処分)」で起きやすいです。

特にアスベストやフロンは、調査・報告/回収の要否で費用と工程が動くため、見積前の情報共有と、見積書・契約書への前提条件の明記が最も効果的です。

追加になりやすい項目ほど、最初から「出た場合の精算ルール」まで決めておくと、金額面も気持ちの面も安心して工事を進められます。

株式会社サンクル